決算の子ども家庭費の審議では、学童クラブがあまりに少ない中で、子ども一人あたりのスペースが一畳分もない現状を訴え、改善を求めました。
厚生労働省の報告では、2022年4月の段階で練馬区の学童クラブの待機児童数は23区でワースト2位、全国でもワースト8位(https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/001029590.pdf)。今年度に入り、待機児童数はさらに増加し299名、8年連続で200名を超えています。そうした中、学童クラブは当初の定員を大きく上回る子どもを受け入れ、施設によっては定員40名の所60名以上受け入れているクラブも存在、その環境が問われています。
児童福祉法の規定に基づき定められた「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」では、「児童の専用区画の面積は児童一人につきおおむね一・六五平方メートル以上でなければならない。」とあります。https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=426M60000100063
【質問1:国の面積基準すら守っていない学童クラブが12カ所、どうして?】
区が昨年度、厚労省に提出した資料を情報公開請求で入手した所、練馬区の学童クラブ98カ所の中で、12箇所が一人当たり1.65㎡の面積基準を満たさず、わずか1.16㎡、1畳以下しかないクラブも存在。国の基準である1.65㎡でも狭いと言われてきた中で、それすら守れていない状況をどう受け止めているのですか?
【区の回答】
区は廊下や玄関スペース等を加えた面積を専用スペースとして計算しており、それを含めると1.65㎡を超えている。こうした運用についても子ども家庭庁に確認した所、問題ないと言っている。
【岩瀬の主張】
区は職員室や廊下、玄関を子ども達の専用スペースと同じと主張していますが、廊下や職員室で子ども達が自由に遊べるはずはありません。待機児童が増えている中で緊急的な対応が必要であるということは一定理解できますが、そうした状況が10年以上続いているということは、区としての責任を果たしているとはいえません。
【質問2 もっと学童クラブを増やすべき!】
練馬区は全校にねりっこクラブを設置することで待機児童解消を図るとしていますが、ねりっこクラブだけでは不十分なことは、これまでの話からも、ねりっこクラブがある学校でも待機児童が発生し、ひろば事業と組み合わせたねりっこプラスという緊急対策を実施、496名もが在籍していることからも明らかです。練馬区として学校内のねりっこクラブに限定せず、地区区民館や地域集会所などの学童クラブを存続、増加させることを求めます。
【区の回答】
近年、近隣の学童クラブに空きがあり、徒歩で通える範囲内にあるにも関わらず、学校内のねりっこプラスを選択する家庭もあるなど、学童クラブに関わるニーズも多様化している。引き続きねりっこクラブの全校実施に向けて取り組みを進めながら、待機児童対策としての居場所の確保に取り組んでいきたい。
【岩瀬の訴え】
全国で学童クラブの施設数は増えている一方で、練馬区は2012年をピークに減らしている数少ない自治体の一つです。ねりっこクラブだけでは待機児童解消が出来ないことはあきらかであり、きちんと予算をつけて学童クラブを増やすことを求めます。