視察2日目、山口市のICT教育への取組を視察。同市では「やまぐち子ども未来学習プロジェクト」として、市内の山口情報芸術センター(Yamaguchi Center for Arts and Media, YCAM)と連携して、学校でのICTの操作やメディアリテラシーの習得に取り組んでいます。
1.YCAMとの連携について
山口市のYCAMとの連携での成果として、小学校で地域の魅力発見のために360度図鑑を作成、中学校では文化祭や体育祭でのICT活用としてフレットアニメーションなどを作成しています。360度図鑑では、ドローンで撮影した映像に子ども達が解説を行うもので日本e-learning 大賞や文部科学大臣賞なども受賞、ウェブサイトで世界にも発信しています。
https://zukan360.yamaguchi-ygc.ed.jp/
【練馬区では何ができる?】
→山口市にはYCAMという専門機関があるためにこうした取り組みがしやすいといったメリットがありますが、こうした先進事例を参考に練馬区でも教育委員会が主導して取り組みを進める事もできると思います。
2.教職員への研修について
教職員に対してはICTの活用頻度を高めるため、校務用と教育用の2つの用途のパソコン、タブレットを配布。不得意な教員には、情報教育支援員が学校を巡回し、授業の支援を行うとともに、放課後に「デジタルカフェ」として30分の個別サポートも行っています。
【練馬区では何ができる?】
→練馬区でもICT支援員の方が学校を巡回していますが、滞在は授業時間中、また時間が少なく質問ができないといった声も届いています。山口市のように放課後にどんなことでも気軽に相談できる体制を整備することも検討すべきだと思います。
3.統合型校務支援システムの導入について
来年度から県全域でシステムを導入、成績データの不具合の減少、各学校医の情報統一などが可能になるとのこと。
【練馬区では何ができる?】
→練馬区では長年にわたりC4thというシステムを使っていますが、教員の方からは使いにくいとの訴えが何度も届いています。こうした他自治体の取組を参考にしながら、教員の働き方改革推進のためにも新たなシステム導入を検討すべきだと感じます。
【感想】
前日のコミュニティスクールの取組やICT教育の導入について、山口市では学校外の地域の資源を最大限に活用していることが印象的でした。練馬区ではどうしてもICT教育についても得意な教員と不得意な教員で差が出てしまうなど、各教師の力量にかかる部分が大きいと感じています。こうした外部の協力を得ながら全体として底上げを図る取り組み、非常に参考になりました。