一般質問では外国人の人権についても訴えました。11月現在、練馬区の外国人は23,000人、1年で2,200名以上増加しています。他方で日本人は18名が減少、区長は所信表明で「練馬区は全国でも稀な人口の増加傾向にあり、まだまだ発展を続ける」と述べましたが、区の発展は外国人によって実現しています。

外国籍の方は様々な困難に直面していますが、もっとも厳しい状況にあるのが仮放免の方々です。先日の質疑でも仮放免者は区内でも19名暮らし、そのうち2名が子どもであることがあきらかに。

【1.仮放免者をはじめ、非正規滞在の外国人にも適切なサービスの提供を!】

入管庁は毎年、自治体に仮放免者の住所や名前、年齢などの情報を提供しています。その理由を「行政上の便益サービスの付与のため」としています。すなわち、練馬区には仮放免者の状況を把握し、生活を支える人道的な責任があります。しかし、区がこれまでに直接行った支援はコロナのワクチン接種の連絡のみです。

先日ご相談を頂いた仮放免の方も出産したばかり。新生児は2か月だけ国民健康保険に加入できますが、その後はすべて自己負担。本来は無保険でも定期予防接種は無償で受けられるはず、しかし毎日の食事もままならないなか、本人が自己負担だと誤解し一切受けさせていませんでした。周囲の支援によって練馬区に申請しましたが、医師からは接種ができるギリギリのタイミングだったと指摘されました。

衆議院での質問主意書に対して国は、

仮放免者や在留資格のない方が定期接種を受けることができるよう、市町村に対し、特段の配慮をお願いする

としています。

練馬区では、当事者から相談があった場合にのみ対応するとのことです。しかし今回の件で明らかなように日本語もわからない仮放免者が自ら調べ行政へ連絡するのは極めて困難です。

非正規滞在を含む全ての外国人に対し国のいう適切な「便益サービスの供与」がなされるよう「特段の配慮」をするために、コロナワクチンの接種の案内以外にも多くの事を区はすべきです。入管庁からせっかく提供されているリストを活用し定期接種や子どもの就学案内などを直接連絡することとあわせ、区報やウェブサイトを通じ、また支援団体等と連携し受けられるサービスについて積極的に案内すべきです。

【区の回答】

定期予防接種等は間違いを防ぐために保護者から申し出をいただき、接種履歴を確認したうえで、必要な接種を受けられるように支援している。仮放免の児童・生徒の就学についても、個別に状況を確認している。就学先が不明な方には、通知を送付することとしている。

【2.難民を支える自治体ネットワークへの加入を!】

練馬区には難民や難民申請中の方も暮らしています。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)では世界各地で拡大する難民危機を受け、自治体との連携を強化。2018年にスタートした「難民を支える自治体ネットワーク」では、自治体による行動や支援の表明を通じ、紛争や迫害により故郷を追われた人々への連帯を強めています。本年8月現在で世界55カ国・291の自治体が署名。国内では文京区、渋谷区、世田谷区、中野区など14自治体が加入しています。
練馬区も「難民を支える自治体ネットワーク」に加入し、UNHCRや他の自治体と連携しながら、区として何ができるかを共に考え行動すべきです。

【区の回答】

加入する考えはないが、引き続き基礎的自治体として外国籍住民が地域で安心して生活できるよう、開かれた地域づくりを進める。

【岩瀬の訴え】

来年施行される改正入管法の下では、新たに「監理措置」が導入、収容所外で生活をする人々が増えることが見込まれます。彼らやその子どもも尊厳が守られ、行政サービスへアクセスできるよう、区の対応を強化することを求めます。練馬区が外国人も含め”誰一人取り残さない”世界の実現に向け取り組むことを求めて本項を終わります。

これまでの訴えはこちら

写真は鎌倉のアルペなんみんセンター視察の様子です。