皆さんはふるさと納税についてどう思いますか?
練馬区では本来練馬区で使えるはずの住民税の流出が毎年急激に拡大していて、練馬区の言葉を借りると、「このままでは区の財政運営に支障をきたしかねない深刻な状況」です。

“ふるさと納税は、生まれ故郷やお世話になった地方自治体を応援する仕組みとして、平成20年度に創設された制度です。「納税」という言葉がついていますが、実際には地方自治体への「寄付」制度です。”(練馬区のウェブサイトから)

ふるさと納税による住民税の流出額は、令和元年が22億円だったのが、令和6年度には51.4億円と倍以上に達し、練馬区の住民税収入の約8%にも達します。51億あれば学校の建替えや、車椅子のお子さんのいる学校にエレベーターを設置したり学校の支援員を増やすことも可能です。

流出が続く23区では、地方との格差是正という制度の趣旨を踏まえ、返礼品競争から距離を置いてきましたが、耐えかねて反転攻勢をかけ始めているとの報道も。新宿区では高級ホテルの宿泊券(寄付額50万円)、商業施設の共通食事券(同2万円)、老舗店の抹茶アイス(同6000円)などで対抗しているとのことですが、単なる返礼品競争になっています。

また自治体が仲介業者に支払う手数料が10%近くになっているという報道もあり、専門家は「ふるさと納税制度で一番得をしているのは、仲介サイトや委託業務を行う都市部の大手業者だ」と指摘しています。

菅前総理の肝いりで国が始めた制度、地域の財政を大きく歪めてしまっている現状を踏まえ、国として早急に見直すべきです。