8月28日の区民生活委員会、来年5月以降に始まる戸籍への振り仮名記載について報告がありました。こちらは令和5年6月の戸籍法の一部改正に基づいて、これまで戸籍に記載がなかった氏名への振り仮名が付けられるもの。目的はいわゆる「キラキラネーム」へのルール化とマイナンバーの普及とされていますが、実施には練馬区だけで4億円以上がかかることも含めてあまりに多くの問題が。
1.練馬区だけで4億円!
実施は来年5月以降で、練馬区を本籍とする方の合計で約57万人が対象になります。練馬区は住民基本台帳に掲載されている振り仮名を抽出したうえで、通知書として戸籍の筆頭者、合計30万人に郵送、間違いがあった場合は1年以内に届け出ることになります。一連の作業に要する予算は4億700万円におよびますが、国からの補助は今の所、郵送に係わる費用のみ。業務委託や事務作業など膨大な受理業務に対応する自治体の負担が全く考慮されていません。
2.高齢者や障害者など届け出が困難な方への対応は?
振り仮名が間違っていた場合、1年以内に届け出ることが求められています。そのためには当然、高齢者や障害者ら届け出が困難な人への支援、DV等の被害者で住所が明らかでない方への対応も必要ですが、具体的な対策を国は明らかにしていません。
3.2度目以降の修正は家裁の判断が必要?
届け出を反映する際の登録ミスによって、自分が使っているものと異なる振り仮名が戸籍に記載された場合、1回に限り訂正の届け出が認められますが、その後は家裁の判断が必要と言われます。なぜ、自分の名前を正すのにそれほどの負担を強いられるのでしょうか?
練馬区だけで4億円もの費用と膨大な作業の必要な今回の事業、全国では数千億円かかることが予想されます。本来であれば、生活困窮者への支援などより緊急性の高い事業に予算をかけるべきではないでしょうか?