8月21日、稲荷山公園の整備に関する専門家委員会(第四回)が開催されました。今回の委員会では、練馬区から対象の一部となる白子川右岸の今後の案が初めて示されましたが、衝撃的な内容でした。

稲荷山公園を整備するには、現在住んでいる400世帯、1000人を超える住民の立ち退きが必要とされており、以前から地域の住民の方が反対をしています。

区の案を見ると、現在、住宅地が広がっている白子川右岸の東側については、今後、水田として整備される予定に。西側に広がる住宅地はススキ群落、稲荷山図書館がある地域ではムクノキやエノキの林を作る計画が示されています。

現在の様子

(出典:練馬区)

8月23日に示されたエリア分類(案)・植生プラン(案)

(出典:練馬区)

水田となることなどは当該地の住民には全く説明されておらず、まさに青天の霹靂でした。なぜ、地域に長く住んでいる住民を立ち退かせてまで、練馬区に水田を作る必要があるのでしょうか?また、作ったとして誰が管理するのでしょうか?他にもムクノキ、エノキ林やヒノキ林を新たに住宅地に作るとしていますが、住民を立ち退かせるより、練馬区内に今ある自然を残す方が効果的であり、意義もあると思います。

さらに今回の専門家委員会では、傍聴を求めた区民3名を締め出すという前代未聞の事態も。東京新聞でも報道されています。私もその場にいましたが、練馬区は「満員」ということで、入室させませんでした。住民の方にとっては、慣れ親しんだ家を追われるかもしれない、それこそ人生がかかっている問題です。区の説明では今回、練馬区は20名分の傍聴席を用意していたものの、傍聴者が大きく上回ったとのこと。しかし、前回の委員会でも18名が傍聴しており、もっと多くの住民が来ることを当然想定すべきでした。

このような形で住民を排除することは、練馬区のやるべきことではありません。住民を排除して練馬区や専門家が計画を作るのではなく、住民も参加できるような形でどのように稲荷山のカタクリや自然を守っていくのか、一緒に考えるべきです。