8月29日の区民生活委員会では「国民健康保険および後期高齢者医療制度の健康保険証の廃止に伴う対応について」報告がありました。こちらは法律に基づき、令和6年の12月2日以降、現在の保険証の新規交付が廃止されることになり、以降は健康保険証として利用登録されたマイナンバーカード(マイナ保険証)による保険診療が基本となることになります。
しかし、マイナンバーカードの取得は法的には義務付けられておらず、あくまで任意です。また、マイナンバーカードの裏面に記載されたマイナンバーは健康保険証とも一切関係ないものであり、紙の保険証を廃止する根拠は一切ありません。
1.練馬区でのマイナ保険証の利用状況は?
練馬区でのマイナンバーカードの取得率は71.9%(7月現在)で、マイナ保険証の保有率は5割弱。他方で、練馬区でのマイナ保険証の利用率は10%にも満たず、国の平均の11.13%をも下回っています。なぜマイナ保険証が使われないのか、その一番の理由は、誤った情報が登録されていたなど、マイナ保険証に対する不信感が強いからだと思います。
2.マイナ保険証のトラブルは?
また、全国でもマイナ保険証マイナ保険証のオンライン資格確認システムに関するトラブルが頻発しており、練馬区内でも件数の統計はありませんが、診療所での機器トラブルなどが把握されています。他の自治体では、カードリーダーでトラブルが起きたためにその日の受付をあきらめて帰宅し、急性心筋梗塞のため死亡した事例も報告されています。
3.有効期限はわずか5年?
他にも複数の機関で「マイナ保険証の有効期限切れ」があったとのこと。マイナ保険証のICチップに内蔵されている電子証明書の有効期限は5年で、更新せずにいると健康保険証としても無効となります。練馬区は紙の保険証は2年なのに対して、マイナ保険証は5年毎との説明でしたが、紙の保険証は自動的に郵送される一方で、マイナ保険証はご自身で申請する必要があります。例えばご高齢の方がご自身で毎回、更新をすることは可能なのでしょうか?
4.マイナ保険証が無い方は? 資格確認書について
練馬区はマイナ保険証が無い方には、資格確認書を交付、現在の健康保険証と同様の受診が可能とされていますが、資格確認書の有効期限は2年であり、2年後にどうなるかは未定とのこと。
これほど多くの問題が顕在化しているなかで、健康保険証を廃止するのはあまりに問題、区としても国へ継続するよう求めるべきです。