練馬区立美術館に関連して、9月12日の区民生活委員会では、練馬区の外郭団体である公益財団法人練馬区文化振興協会の令和5年度決算および令和6年度予算・事業計画の報告がありました。その中で、3月まで地域文化部長として美術館などを管轄していた方が美術館の運営を行う練馬区文化振興協会の副理事長になっていたことが明らかに。いわゆる「天下り」ではないでしょうか?
公益財団法人 練馬区文化振興協会とは
練馬区の区立文化施設を運営し、文化芸術事業を実施する公益財団法人で、練馬区が100%出資しています。練馬区立美術館や練馬文化センター、石神井公園ふるさと文化館などの指定管理を行っています。令和4年度の損益計算書の利益を見ても、練馬区からの比率は81.4%に達するなど、練馬区と非常に強い関わりを持っています。
1.3月まで部長として区立美術館を管轄していた職員が外郭団体の副理事長に
美術館などを管轄する練馬区の地域文化部の部長が3月末で定年退職し、その翌日から練馬区立美術館を運営する練馬区文化振興協会の副理事長に就任しています。練馬区は在職中に利害関係者にたいして働きかけをしたものではなく天下りにはあたらないとしていますが、一般的な感覚からして、在任中に部長として指定管理先である文化振興協会を監督する立場にあり、文化振興協会の理事も勤めていた職員が退職した翌日に、協会の副理事長に就任するのは天下りとみられても仕方がないと思います。
2.役員報酬の一覧が決算資料から削除
また、地域振興協会の決算書について、令和4年度までは毎年、決算報告の中で役員の報酬が記載されていました。昨年度は毎月58万円。しかし、なぜか今回報告された令和5年度の決算書からは役員の報酬等の項目が削除。役員が毎月いくら支払われているのか、決算書から見えなくなっています。
令和4年度決算
令和5年度決算
しかも報酬の記載を削除したことについて何の説明もなく、私が委員会で指摘して初めて明らかになりました。毎年、役員報酬を決算資料で報告していたにもかかわらず、なぜ今年度になり突如として削除するのか、それは昨年度の委員会でも役員報酬についての議論が行われたことを受け、項目自体を見えなくしたのではないかと私は思います。
3.まとめ
今回の件について、練馬区は天下りではないとの説明ですが、なぜ関係する外郭団体の副理事長になったのか、非常に不透明ですし、説明責任を果たしているとはいえません。特に、文化振興協会の出資金の100%が練馬区によるものであり、その利益の80%は練馬区によるものですから、丁寧な説明が必要だと思います。ご意見などあればお寄せください。
これまでの美術館に関する訴えはこちらをご覧ください。