練馬区で暮らす外国籍の子どもの数は、令和元年度からの5年間で1.5倍に増加、学校での日本語指導の重要性も高まっていいます。令和5年決算特別委員会では外国ルーツの子どもに対する学校での日本語教育の充実と日本語学級の設置を求めました。

訴え1.学校での日本語支援について

学校での指導は、日本語等指導講師派遣制度に基づき実施されています。
授業が行われている時間帯に、日本語講師が別室で日本語、生活習慣、文化等の個別指導を行っており、非常に重要な制度です。しかし、日本語指導の時間があまりに少ない、そんな訴えを講師や当事者の方から頂いています。練馬区での日本語指導、原則として、1回2時間で40回、在籍期間中の合計が80時間までになっています。

他方、多文化共生センター東京の調査によると、23区では上限を設けていない自治体も存在します。練馬区では、在籍中の合計、つまり小学校では6年間、中学校では3年間の合計で80時間のみです。私達が英語を学んだ時のことを思えばすぐわかるように、新しい言語や生活習慣、文化を学ぼうとした際に、わずか80時間ではあまりに少ないと言わざるを得ません。他区の状況も踏まえ、練馬区でも上限時間の撤廃を含む見直しを行うべきです。

【区の回答】

教育委員会としては既に問題意識を持っています。現時点で一律、派遣時数を増やすという考えはありませんが、個々の習熟度に差があるという実態も踏まえながら、今後の方向性を考えています。

岩瀬の意見

平成12年に要綱を作成した時と現在で状況は大きく異なる中で、上限時間の見直しは必須です。練馬区と同様に在籍中に最大80時間としていた大田区でも平成30年度から年間で80時間に改善しています。このような自治体間での違いが、子ども達のその後の人生にも大きな影響を与えてしまうことを考えると区として早急に対応すべきです。

訴え2.日本語学級の設置を!

学校での指導時間の充実とあわせて、日本語学級の設置も必要です。
日本語学級は、「特別の教育課程」の一つで、特別支援学級と同様の扱いで、週に1日から2日、通級して日本語指導を受けるものです。東京都から専門の日本語指導教員が配置され、体系的で専門的な指導を受けることが可能です。

23区の状況をみると、小学校では既に12区で24校、中学校でも7区で11校が設置しています。他方で、練馬区の外国籍の子どもの数、小学校では23区で8位、中学校では10位と非常に多いにも関わらず、いまだに設置されていません。

区は日本語学級について、空き教室の確保などの制約があるとの答弁でしたが、通級での実施を前提としているなかで、候補となる学校は区内に数多く存在します。ぜひ前向きな検討を求めます。

区の回答

日本語学級の設置には様々な課題があり、現時点での設置の計画はありませんが、児童数の動向、他自治体の動向等を踏まえて、今後の外国籍児童支援のあり方を考えています。

岩瀬の意見

江東区の外国人児童は練馬区の半数以下にもかかわらず、日本語学級が設置されています。「外国人に開かれた地域」を実現するためにも、日本語学級の設置は不可欠です。ぜひ早急な求めます。