年に一度の一般質問、練馬区の学校での不適切な会計処理についても訴えました。学校が現金など寄付として受けた場合、練馬区全体の収入として処理する必要がありますが、この3年、処理されていたのはわずか2件。学校内で利用されていた可能性を指摘するとともに、改善を求めました。

訴えはこちらからです。

【はじめに】

小中学校での不適切な会計処理について質問します。
地方自治法では、自治体が現金の寄付を受ける場合は「総計予算主義の原則」に基づき、全て歳入に含め予算化する必要があります。地域団体や個人、PTAなどから寄付を受けた公立学校も例外ではありません。

練馬区が作成した「学校への物品寄付の流れ」では、学校長は寄付を受ける際には、教育委員会に「寄付申込書」などを提出するとともに、寄付者には「寄付受領書」を渡すことが義務付けられています。

本年11月、学校に対する寄付の状況について公文書公開請求を行ったところ、2021年度から23年度までの3年間、現金の寄付はわずか2件でした。つまり区内の96校ではこの間、1度も現金を受け取ってこなかったことになります。

しかし、小中学校では入学式、卒業式、体育学習発表会、周年行事などの際に、来賓等から「ご芳志」「お祝い金」などの名目で金品を受け取ることが広く行われています。こうした寄付金の総額は、学校によっては年間で数十万円にも達すると聞いており、区全体では年間で1千万円を超える可能性もあります。

1) 祝金の扱いについて

「お祝い金」などの名目で毎年、地域から学校に寄付されている現金について練馬区はどのように認識しているのでしょうか。また、学校への寄付金はなぜ練馬区に報告されてこなかったのでしょうか?

各学校への寄付は、全て練馬区全体の収入として会計処理されるべきです。そもそも、学校運営に必要な経費は公費で執行することが原則であり、もし寄付金が各学校の判断で使われていたのであれば大きな問題です。

【練馬区の回答】

寄付の申し出があった場合に事前に相談することや、受領に関わる必要な事務手続きを各校に周知しています。来賓からのお祝い金等については受け取らないよう見直しを図ってきたところですが、一部の学校では慣習により受領してきた可能性もあります。学校運営に真に必要な経費を公費で賄うことは当然であり、公費で負担すべき私費会計の解消に向けて、現在必要な予算を確保するとともに、学校によって差が出ないよう見直しをしています。

2)実態調査と再発防止について

教育委員会として、学校への寄付の実態について徹底的に調査するとともに、今後、適切な会計処理が行われるように指導すべきです。区の回答を求めます。

【練馬区の回答】

校長会を通じて状況を把握するとともに、今後、寄付金として受領できないお祝い金は受け取らないよう各校に周知徹底し、疑念を抱かれることのないよう、指導してまいります。

【岩瀬の訴え】

練馬区として校長会で状況を把握すると約束した事、また寄付として会計処理できないお祝い金は受け取らないと明言したことは大きな前進です。学校への不適切な寄付は他の自治体でも問題になっています(報道はこちら)。コミュニティスクールなど地域と学校の連携強化が問われる中で、地域と学校が適切な関係を築くことがこれまで以上に重要のなっています。練馬区全体として適切な会計処理がされることを今後も訴えていきます。