みなさんは「練馬区小中学校連合書きぞめ展」をご存じでしょうか?

区内小中学生の中から選ばれた力作を毎年、美術館に展示するもので今年が72回目、毎年、多くの子どもや保護者が楽しみにしています。しかし、美術館の改修工事に伴って今年は美術館を利用できず。展示できる作品数も大きく減少するとのこと。子どもや保護者から悲しみの声が届いています。

12月に入り、練馬区小学校教育会と練馬区中学校教育研究会の連名で「令和6年度 第72回 練馬区小中学校連合書きぞめ展の御案内」が全校児童生徒の保護者に配られました。

それによると、例年、練馬区立美術館で実施されてきた書きぞめ展が、美術館の改修工事に伴って利用できず、開催場所が小学校では練馬区立区民・産業プラザ(ココネリ)に、中学校では石神井公園区民交流センターに分かれて開催されることになるとのこと。

また、会場で展示できる作品が例年より少なくなり、小学校では例年、学校当たり40点程度の展示だったのが各学年おおむね1点と6分の1に。中学校でも各校12点だったのが各校3点と4分の1に減ってしまうとのこと。

子どもや保護者の声

・中学生と小学生、展示が別々(練馬駅と石神井公園駅でかなり離れている)で、一遍に観覧出来ず、とても不便です。特に、小学生に中学生の作品を見せられず、子ども達にとっても不利益ではないでしょうか。

・会場が狭いから、代表作品数が少ない…子ども達にとって、学校に展示されるのと、選ばれて美術館に展示されるのとでは、子ども達のモチベーションが全然違います。

・行った事ある方はご存知と思いますが、書き初め展や美術作品展、毎年たくさんの小中学生や保護者が来場します。うちもそうですが、書き初めに選ばれる為に、仕事を休んで、子どもの書き初めの指導に熱を入れる親も結構います。会場に展示する作品を例年より減らすなんて、何て残酷な事してくれるんでしょうか。

そもそも、練馬区立美術館の解体は2025年度からの予定のはずです。

なぜ来月から利用できないのか、練馬区に確認した所、改修に伴って収蔵品を外部倉庫に移動する際に、作品のアーカイブ化をするために展示室を使うためとのこと。改修が直接の理由ではありませんが、改修に伴う理由によって子ども達の展示に影響が出たことになります。

子ども達にとって、美術館に自身の作品が展示されるのは一生の思い出であり、自信にもなりえます。そうした経験が、そもそもその必要性すら議論されていて、100億円もの費用がかかる美術館の建替えによって、損なわれてしまうというのはあるべき姿ではないと思います。

また、同じ時期に行うのであれば、これからの美術を担う子ども達の気持ちを育むことのほうが、収蔵品のアーカイブ化をすることよりも優先すべきだったと思います。子ども達に対する丁寧なフォローと共に、来年度以降に十分な会場が確保できるよう、対応を強く求めていきます。

練馬区立美術館の建替えについての議論はこちらからご覧ください。