練馬区は子ども・子育て支援施策の方向性および区民ニーズ等を踏まえた具体的な事業計画を明らかにするため、「第3期練馬区子ども・子育て支援事業計画(令和7年度~11年度)(素案)」をとりまとめました。本計画では、子ども誰でも通園事業やこれまで対象外だった18歳以上のヤングケアラーへの支援、学童クラブでの昼食提供なども盛り込まれています。1月15日まで意見募集がこちらから行われています。ぜひご意見をお寄せください。
はじめに
本計画は、子ども・子育て支援法に基づく「市町村子ども・子育て支援事業計画」であり、令和7年度から11年度までを対象期間としています。子ども向けの資料では以下のように説明されています。
練馬区子ども子育て支援事業計画は、練馬区で安心して子どもを産んだり育てたり、子どもたちが 健やかに成長できる環境をつくるために、これからの5年間で取り組むことをまとめた計画です。
練馬区は計画の目標を「安心して子どもを産み育てられ、子どもたちが健やかに成長できる環境を整えます」としており、基本方針として以下の4項目を挙げています。
- 子どもと子育て家庭の支援の充実
- 子どもの教育・保育の充実
- 子どもの居場所と成長環境の充実
- 支援が必要な子どもや家庭への取組の充実
計画の中で、特に注目したのは以下の項目が挙げられます。
1.こども誰でも通園事業
保護者の就労条件を問わず、0歳6か月から2歳児の乳幼児を保育所などで定期的に預かる国の事業です。国が令和8年度から本格実施することから練馬区でも令和7年度から試行実施を行います。
令和7年度は練馬、光が丘、石神井、大泉の4地区でそれぞれ15名、合計で60名を対象とする予定です。
練馬区での実施における最大の課題として保育士の確保があります。
区内でも保育士不足が深刻化している中で、新たに採用ができるのでしょうか。また、現在はひと月あたり10時間までと言われていますが1週間あたりではわずか2時間半、保育士にも保護者にも、子どもにとっても厳しいと言わざるを得ません。そのほかにも委託料が1時間あたり850円しかなく、園の経営にとって厳しいなどの問題も指摘されています。(問題点はこちらをご覧ください。)また、既に実施している文京区では140人以上がキャンセル待ちとのこと、どのように対象を選別するかも課題です。7月には開始とのことですが、区として他自治体の状況を調査し運営に活かすことが不可欠です。
2.学童クラブの昼食提供
夏休みなどの長期休業中の学童クラブで、昼食準備にかかる保護者の負担を軽減するため、学童クラブ在籍児童に昼食を提供できる体制を整備すると発表。事前に保護者がオンラインで注文した昼食を、学童クラブで提供するとのこと。学童クラブでの昼食提供、23区のうち11区では2023年時点で実現していました(23区の状況はこちらをご覧ください)。練馬区でも何度も実現するよう要望を続けてきたものですので、ようやく前進です。
3.ヤングケアラーへの支援の充実
令和6 年6 月に子ども・若者育成支援推進法が改正され、ヤングケアラーが「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義されました。そうした中、練馬区は今後、18 歳以上のヤングケアラーに関する総合的な相談・支援窓口を設置し、支援を充実していくとのこと。練馬区では11月末現在、77名のヤングケアラーが確認されている中で、こうした子ども達への支援に加えて、30歳までの若者への支援も新たに開始することになります。
練馬区が確認している方は氷山の一角に過ぎない可能性もある中で、より声を挙げやすい環境を作ることも不可欠です。ヤングケアラーに関する過去の訴えはこちらからご覧ください。
その他にも、児童館の充実やひろば事業の拡大、体験の機会の充実などが挙げられています。
1月15日まで意見募集が行われていますので、ぜひご意見をお寄せください。