皆さんは石神井公園の三宝寺池の中心にある浮島「中の島」をご存じでしょうか?この島には1935年に国の天然記念物に指定された三宝寺池沼沢植物群落が存在します。自然環境を守るために島への渡航は禁止されており、年に2回だけ「中の島植物見学会」として一般に公開されます。今回、息子と初めて訪問しました。
中の島は三宝寺池の中心に位置し、およそ3千平米です。島は文部科学省が所有していますが、管理は東京都が行っています。
(出典:東京都)
中の島までは三宝寺池の岸辺から5分程度、職員の方が池に入り、船を手で押しながら進みます。
池岸から見るとハンノキに覆われていて、島の内部を見る事はできませんが、島につくと氷河期に存在していたミツガシワが鬱蒼と茂り、作られた木の小道を奥に進むとカキツバタの群生地が。これほど多くのカキツバタを見るのは初めて、息をのみました。また、都市部ではほぼ絶滅したコガネグモと呼ばれる金色の蜘蛛や、尾の青いトンボなど、練馬とは思えない景色が広がっています。
三宝寺池は1960年ごろまでは豊富な湧き水があったものの、都市化が進むにつれ水が減り、1973年には枯渇してしまったとの記録も。現在では水源の多くを井戸からくみ上げた地下水に依存していますが、本来の三宝寺池の姿を取り戻すには、水質改善などが不可欠と言われています。東京都も「石神井公園三宝寺池植物群落保存活用計画(平成30年度)」を策定し保存に取り組んでいるところです。
(ミツガシワ)
中の島は5月と秋ごろの年に2回程度、一般に公開されているとのこと。機会があればぜひご訪問ください。