8月25日の練馬区議会・総合災害対策等特別委員会で、地方分権改革の取組状況について報告がありました。2024年に成立した第15次地方分権一括法の影響が説明され、今回の改正は6事項(8法律)にわたります。練馬区にとって特に重要なのは以下の点です。
■ システム標準化基金の設置期限が5年延長
練馬区をはじめ全国の自治体が強く求めてきた「地方公共団体のシステム標準化等のための基金」の設置期限が、法的に5年間延長されました。これにより財政支援の継続が制度的に担保されました。
しかし、課題は依然として大きいままです。現在、庁内各課で20のシステム標準化を2027年1月稼働に向けて進めていますが、全国一斉で同時期に移行を求める国の方針は、技術者・事業者の確保が難しく現場に過大な負担を与えています。今回の延長は単に基金の存続が担保されたにすぎず、実務的な猶予が得られたわけではありません。時間的余裕がないまま作業を続けざるを得ない状況に変わりはありません。
■ 住基ネット活用拡大の実効性の乏しさ
住民基本台帳ネットワークを活用し、住民票の添付や公用請求が不要となりますが、練馬区に関連するのは「家畜人工授精士の転居手続き」のみで、ほとんど影響はありません。
また、滞納者転居時の情報取得が可能になる改正もありましたが、練馬区では過去に事例はなく影響はありません。
■ 区長署名の電子化と残る課題
条例交付に必要だった区長の自署に代わり、電子署名を可能にする改正も行われました。国は災害時など有事の対応を想定していますが、システム導入には「区長本人が直接入力すること」を条件としており、現実の運用に即した仕組みになるのか不透明です。技術面や運用面で検討すべき課題が多く残っています。
まとめ
第15次地方分権一括法における練馬区への影響は限定的ですが、システム標準化基金の延長は区にとって大きな意味を持ちます。今後も2027年の本格稼働に向け、庁内全体で作業を着実に進めていくことが求められています。
ご質問やご意見があれば、ぜひお寄せください。
📑 参考資料
04【資料3ー2】地方分権改革の取組状況について