12月26日、練馬区議会で臨時会が開かれ、国の物価高騰対策を受けた補正予算(約60億円)が全会一致で可決されました。年末のこの時期に臨時議会を開くのは異例で、国が自治体に「年内の予算化」を求めたことが背景です。

練馬区では現金給付として、低所得世帯と子育て世帯を対象に、概ね4割の区民に2万円が支給される整理になります。支給開始は2月頃からの見込みです。支援策の全体像は、先日のブログでも整理しましたので、あわせてご覧ください。
(※前回記事)https://iwasetakeshi.net/2025/12/countermeasures-against-rising-prices/

練馬区の支援の対象は?

政府は今回の物価高騰対策は「国民全体」向けとしていますが、練馬区で現金給付の対象は、

①低所得世帯(住民税非課税等)
②子育て世帯
となっています。

区の説明では、練馬区の全世帯数は40万1,200世帯(12月1日時点)で、

  1. 低所得世帯向けの給付(電力・ガス・食料品等価格高騰支援給付金)
    対象は約9万1,000世帯(住民税非課税世帯/児童扶養手当受給世帯/家計急変世帯)で、全世帯の約23%。※対象世帯の約8割が単身世帯と見込まれるとのこと。
  2. 子ども1人あたり2万円の「子育て応援手当」
    対象は約7万世帯、全世帯の約17%

物価高に苦しむのは全ての区民…「バラマキ」ではなく構造的な支援を

区の説明では、

低所得世帯向け約23%と子育て世帯向け約17%で、重複はあるものの、現金給付としては概ね全世帯の4割程度に届く

とのこと。

つまり残りの6割の方、住民税を払いながらも物価高騰に苦しむ現役単身世帯の方などは、現金給付という形では支援の対象から外れています。区はキャッシュレス還元などを行うとしていますが「支援が必要な人ほど届かない」という逆転現象が起きかねません。

そもそも今回の国の政策は、巨額の国債を発行して将来世代にツケ(借金)を回しながら、場当たり的に“配る”ことを優先したように見えます。持続性も乏しく、効果も限定的で、困っている人に本当に届くのか疑わしい—こうした国の進め方に、私は憤りを感じます。

物価高への支援は、短期の“バラマキ”を繰り返すべきではないと思います。本来は、賃金、社会保障、税の軽減など、生活を下支えする構造的な支援こそ行うべきだと思います。

動画でも解説しています。よろしければご覧ください。