練馬区が保有する現金や基金の合計は、約1,450億円。区民の大切な財産です。
いまは「金利のある世界」に戻り、令和8年度当初予算では、資産運用に伴う利子および配当金が約11億円と見込まれています。昨年度と比べても倍以上と大幅な増加です。

一見すると「運用がうまくいっている」ようにも見えます。しかし、利回り(運用の効率)は23区でも最下位水準に近い…その理由はどこにあるのでしょうか? 2月18日の予算委員会で訴えました。

■令和6年度の平均利回りは0.13%、23区で最低レベル

予算書によると、練馬区の令和8年度、資産の運用に伴う「利子および配当金」の見込みは11億800万円です。令和7年度の4億8千万円から倍増しており、1年間で倍以上に達しています。

最大の要因は、いわゆる「金利のある世界」の到来です。日銀がマイナス金利政策を2024年に解除し、その後も追加利上げが行われ、現在は17年ぶりの高水準となる0.5%程度まで政策金利が引き上げられるなど、環境が大きく変化しました。

他方で、練馬区の決算資料では、令和6年度の資金運用について、平均利回りは0.13%と報告されています。

(出典:令 和6年度練馬区決算審査意見書)

各区の決算書などをもとに、同時期の資金運用の成績(平均利回り)を調査しました。

最も高かったのは豊島区で、平均利回りは0.39%と練馬区の約3倍。世田谷区でも0.29%と練馬区の約2倍など、0.2%を超える区も多い中で、入手できた資料の範囲では、練馬区は残念ながら23区でも最低水準に近い状況です。もし仮に豊島区と同じ運用水準だとしたら、単純計算でも令和6年度の利子(運用収入)は3倍程度になっていた可能性があります。

■原因は「ポートフォリオ」

では、なぜ利回りが伸びないのか。
ポイントは、練馬区の運用の“中身”にあります。区の資料によれば、現金・基金約1,450億円の運用内訳は概ね次のとおりです。

  • 自由金利型の大型定期:78%(約1,134億円)
  • 普通預金:17%(約19.5億円)
  • 国債等(債券):5%(約75億円)
  • 合計:約1445億円

(出典:練馬区ホームページ)

つまり練馬区は、運用の中心が金融機関の定期預金で、国債等(債券)はわずか5%にとどまっています。もちろん定期預金は流動性が高く、金利上昇局面で見直しもしやすいという利点があります。

しかし他区の状況を見ると、新宿区では債券が64%、杉並区は60%、江東区でも5割超など、債券比率が高い区が複数見られます。調べた限りでは、練馬区の債券比率5%は、23区でも最も低い水準に近い状況です。

■だからこそ求めたこと

委員会では次の点を区に求めました。

  • なぜ国債等の比率がここまで低いのか(方針なのか、結果なのか)
  • 国債等を購入する際のルール(格付け、分散、満期保有、途中売却の考え方等)を明確にすべき
  • 「金利のある世界」に合った運用へ見直すべき

練馬区の回答は、要旨としては、

「安全性・流動性を確保することが前提である」「自由金利型預金を中心に運用している」「今後も金利動向を注視しつつ、より効果的な運用に努める」

というものでした。

1450億円の運用は、区民サービスの財源に直結します。

金利のある世界が到来した中で、安全性を守りながらも、より合理的で着実な運用に踏み出すべき!

それが今回の委員会での訴えです。ご意見などぜひお寄せください。

※次回は「借金(起債)」の話です。金利のある世界では、運用益が増える一方で、借金の利払いも増えます。

■参考資料