練馬区は、4月15日から6月14日まで、区内の対象店舗でPayPayを使って買い物をすると、決済額の最大20%がポイントで戻るキャンペーンを実施します。1回あたりの上限は3,000ポイント、期間中の上限は1万ポイントです。もちろん家計は助かりますが、今回の事業費は10億3300万円。全て公費、つまり皆さんのお金です。今回で7回目となりますが、これだけの税金を使う以上、「またPayPayだけでよいのか」は厳しく問われるべきです。物価高対策というなら、もっと公平で、もっと広く届く仕組みに見直すべきだと考えます。
区民生活委員会での説明資料はこちらをご覧ください。
04 【資料3】キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施について

(出典:練馬区 https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/sangyo/oshirase/cashless02.html)
■ なぜPayPayしか使えないのか?
今回が初めてではありません。同様のPayPay還元は2025年12月に続いて、今回で既に7回目、総額では約45.1億円規模になります。ここまで繰り返してなお、決済手段がPayPay一択のままでよいのでしょうか。物価高対策を口実にしながら、支援の入口を一社のアプリに限定するやり方には、やはり無理があります。

(出典:練馬区)
■ 手数料だけで今年度は6千万円近くに
区が公表した令和7年度の報告では、1回目のPayPay事務費(手数料)が約2千400万円、2回目(予定)が3千400万円で、合計5千8百万円になります。つまり、ポイント還元分だけでなく、事務手数料として1年だけで6千万円近くの税金が支出されています。物価高対策の名目で税金を使う以上、特定の民間決済事業者1社を前提にした仕組みが妥当ではないと考えます。
■ PayPayを使える人だけが得をする仕組み
今回の制度は、PayPayアプリを使った支払いが前提です。区は使い方相談ブースを設け、区内のソフトバンクショップでの相談先まで案内しています。裏を返せば、それだけスマホ決済に不慣れな方にはハードルがあるということです。物価高対策である以上、スマホ決済を使い慣れた人ほど得をしやすい制度ではなく、誰にでも届く仕組みであるべきです。
■ 支援されるのは、結局「PayPay導入店」だけ
区の公式案内では、対象は区内のPayPayを導入している中小企業の店舗で、大手チェーン店やフランチャイズ店は対象外とされています。それでも、支援が及ぶのはあくまでPayPay導入店です。物価高の影響を受けているのは、PayPayを導入している店舗だけではありません。支援の入口を一つの民間アプリに絞るやり方は、やはり偏っています。
練馬区の説明では、PayPayに対して店側が支払う決済システム利用料は1.98%です。消費者には還元が見える一方で、店舗側には手数料負担が残ります。地域のお店を支えるというのであれば、店側の負担まで含めて制度を考える必要があります。
■ もっと公平な制度に見直すべき
私は、物価高対策そのものに反対しているのではありません。反対しているのは、またPayPay、また一社だけ、また使える人だけ、というやり方です。国の重点支援地方交付金は、プレミアム商品券、電子クーポン、地域ポイント、いわゆるお米券、現物給付などにも活用できるとされています。実際、中央区は全区民に買物券を配布し、墨田区も全世帯向けに商品券等を配布しています。PayPayだけでなく、楽天ペイやauペイなどを併用する自治体も多く存在します。練馬区も、派手な20%還元を繰り返すのではなく、区民全体にもっと公平に届く支援へ見直すべきです。これまでの訴えはこちらをご覧ください。
