2月24日の予算審議で、地球温暖化対策(特に家庭部門のCO₂削減)について質疑しました。2025年夏は区内でも39.2℃を観測し、8月として観測史上最高を更新するなど、危険な暑さが続きました。気象庁も、地球温暖化の影響がなければ「ほぼ発生し得なかった」と説明しています。
一方で、練馬区のCO₂排出削減は23区中17位。改善が必要です。委員会では練馬区の排出量の5割以上を占める家庭部門への支援の強化を求めました。練馬区は二世帯住居などの同居世帯からの申請も認めるよう検討するとのこと、一歩前進です!ただし、予算の増額や賃貸住宅の借り手への支援などはまだまだ、今後も訴えていきます。
■ オール東京62で見る練馬区の現状(2022年度確定値)
練馬区は「2030年度までに、2013年度比でCO₂を46%削減する」目標を掲げています。
しかし、最新の確定値(2022年度)では、
- 2013年度:216.5万t-CO₂
- 2022年度:173.2万t-CO₂
- 削減量:43.3万t-CO₂(=削減率20.0%)
にとどまり、2030年度に向けてまだ道半ばです。
さらに、目標達成(2013年度比46%削減)に向けては、あと56.3万t-CO₂の追加削減が必要になります。
練馬区における温室効果ガス(CO₂)排出量と削減目標について

(出典:第10期第5回練馬区環境審議会【環境課】(令和7年11月18日)資料1-1)
■23区比較に見る「練馬区の遅れ」
委員会で指摘しましたが、2013年度からの削減率を比べると、
- 練馬区:20%(23区中17位)
- 渋谷区:約27%
- 新宿区:約26%
- 23区平均:約21%
という状況です。
これまで「練馬区は家庭部門が多いから削減が難しい」という説明もありました。確かに、練馬区の排出構成比では家庭部門が53.1%と過半を占めています。
ただし、家庭部門の比率が高い世田谷区や板橋区などでも、練馬区より削減が進んでいる例があります。目標達成には2030年度までに56万トン規模の追加削減が必要である以上、「家庭が多いから仕方ない」で終わらせず、家庭部門対策を強化することが不可欠です。
■ 断熱助成は大人気。でも予算不足で「年度途中の受付終了」が続く
家庭部門対策の中核は、やはり断熱です。窓・ドアの断熱は、冷暖房の効率が上がり、CO₂削減だけでなく光熱費の負担軽減にも繋がります。
ところが練馬区の高断熱窓・ドアの支援は申し込みが多く、本年度も9月に予算上限に達して受付終了となっていました。
こうした中で、令和8年度当初予算案では、カーボンニュートラル化設備(断熱等を含む)の補助金はこの3年ほとんど変わらず、82,579千円(約8,300万円)のままです。
昨年の決算特別委員会で区は「今年度の結果も深掘りして見直す」と答弁しています。今回、私は「なぜ予算を増額しないのか?」問いました。区の答弁は、大きく次の内容でした。
- 補助金の総額自体は大きく変えない
- ただし内訳(配分)は見直す
- 窓断熱の上限を12万円→20万円に引き上げるなど、重点配分して効果を高めたい
- 国や都の補助が手厚い分野も踏まえ、蓄電池補助を対象外にし、太陽光や高断熱ドア等に配分をシフトする
練馬区の努力は理解します。
ただ、現実として受付終了が続いている以上、予算不足は明らかです。
また、委員会でも紹介した通り、他区では関連予算を数億円規模で計上している例もあります(例:杉並区約2.8億円、新宿区約2.7億円)。もちろん事業範囲は区ごとに違い、単純比較はできません。それでも、練馬区の約8,300万円と比べると、規模感の差は明らかです。
だからこそ私は、断熱(窓・ドア)枠の予算確保(増額)、そして、もし年度途中で終了するなら補正予算での対応を求めました。
■ 最大の課題:賃貸・非所有者が対象外だと家庭対策が進まない
今回の質疑で、いちばん強調したのがここです。
断熱補助の要件に「自己居住」「単独所有または共有」という条件があり、
-
賃貸住宅の借り手(入居者)
-
親名義の家に同居する子世帯
などが、制度の対象外になっています。
しかし、練馬区では賃貸の共同住宅に住む人が多く、「所有者だけ」を対象にしていては、家庭部門の排出削減が進みません。そこで、所有者以外でも申請できる枠組みを求めました。
■ 一歩前進:同居家族など「所有者と申請者が異なるケース」を検討する
区は、
「建物の所有者は親世帯で申請をしたいのは同居している子世帯のように、所有者と申請者が異なるケースについて相談が寄せられている」ことを認めたうえで、
「どのような対応ができるか検討している」と答弁しました。
「親名義の家に住む子世帯など、同居家族からの申請を検討する」ことは、制度を現実に近づける重要な一歩です。ここは、しっかり前に進めてほしいと思います。
■ 賃貸住宅への支援は進展なし
一方で、賃貸住宅への支援については、今回の答弁では明確な前進がありませんでした。ここは率直に残念です。
賃貸の借り手(入居者)への支援は、家庭部門の削減を進めるうえで不可欠です。もちろん、賃貸支援は制度設計が大事です。「オーナーの資産価値だけが上がる」形にならないよう、例えば、申請者・交付先は借り手(入居者)にすることや、所有者の同意を条件にしつつ、借り手負担の改修を支援するなど、工夫の余地は十分あります。
賃貸支援は簡単ではありませんが、練馬区の住宅実態を踏まえれば避けて通れません。今後も、実現に向けて粘り強く訴えていきます。
■ 一歩前進、そして今後も訴えます!
今回の質疑で確認できたことは、次の通りです。
- 練馬区は目標46%削減に対し、現状は20%削減にとどまっている
- 家庭部門が過半を占める以上、断熱支援の強化が不可欠
- 断熱助成は人気だが、予算不足により年度途中で受付終了が続いている
- 同居家族(親名義住宅に住む子世帯等)の申請検討は前進。早期に制度として形にしてほしい
- 賃貸住宅の借り手(入居者)への支援は踏み込み不足。ここを避けて通れない
だからこそ、今後も、断熱支援の拡充(予算確保・補正対応)とあわせて、賃貸の借り手(入居者)にも届く支援の実現を粘り強く訴えていきます。手に届かない制度のままでは、目標46%は遠のいてしまいます。
同居家族の申請について検討が進むことを評価しつつ、次は、賃貸住宅の借り手にも届く断熱支援を実現できるよう、引き続き訴えます!ご意見などありましたらぜひお寄せください。これまでの訴えはこちらをご覧ください。
