3月4日の予算委員会(補正予算)で、外国籍の子どもの就学状況について質疑しました。今回の区の答弁で明らかになったのは、住民基本台帳に登録されている外国籍の児童生徒のうち、就学状況を把握できなかった子どもが、令和7年度で40人、令和6年度で59人にも達することです。だからこそ、制度だけでなく、本当に子どもに届く支援へと変えていくことを求めました。
■ 全国での不就学、1097人に
2026年10月に公開された文部科学省の全国調査では、学齢相当の外国人の子どもの中で、「不就学」の子どもが、2024年時点で1,097人いることが明らかになりました。(出典:「外国人の子供の就学状況等調査(令和6年度)」の結果について)

(出典:令和6年度 外国人の子供の就学状況等調査の結果について 報道発表)
外国籍の子どもに就学義務はありませんが、国際人権規約などを踏まえ、公立小中学校では日本人と同様に受け入れています。今回の件をうけ、文科省は「子どもの学習権を保障するために就学が促進されるよう教育委員会にさらに周知していく」としています。

(出典:令和6年度 外国人の子供の就学状況等調査の結果について 報道発表)
■ 練馬区 令和6年度は59人 20人に1人の学びが見えていない現実
今回、区に確認したところ、外国籍の児童生徒のうち、令和6年度は59人、令和7年度は40人について、「不就学」か、就学状況を把握できていないとの答弁でした。
令和6年度の外国籍児童生徒の学齢簿人数は1,192人です。つまり、全体の約5%。20人に1人の学びの状況が、区として見えていないことになります。
国籍の違いによって、学びからこぼれ落ちてしまう子どもがいてはなりません。この数字は、決して軽く見てよいものではありません。
■ 取組は前進した しかし戸別訪問は現時点で2年でわずか1件
私はこれまで、不就学・就学未把握の子どもへの対応を繰り返し求めてきました。
その結果、練馬区も、令和4年度から就学先不明の外国籍児童・生徒への確認通知を2か月に1回送るようにし、令和5年度からは仮放免の子どもも対象に加え、令和6年度からは、学校からの要請や居住先不明で返送があった場合に個別訪問を始めました。
ここは率直に前進だと評価しています。
しかし、今回の答弁で明らかになったのは、制度を作っただけでは子どもに届かないという現実でした。区は、個別訪問について、令和6年度は1件、令和7年度は現時点で0件と答弁しました。
50人以上の就学未把握の子どもがいる中で、現時点で2年で1件。これでは、残念ながら実効性があるとは言えません。
■ なぜ支援が進まないのか 教育委員会だけで抱え込まない体制を
支援が進まない背景には、個別訪問を教育委員会の学務課の学事係が単独で担当していることがあると思います。就学先の確認は、単なる事務手続きではありません。家庭の状況や生活上の課題、言葉の壁なども含め、丁寧に向き合う必要があります。そのため、23区では港区や杉並区、新宿区などでは子ども家庭支援センターが担い、世田谷区では専門の知識を持つ委託事業者を活用しています。
だからこそ私は、学務課だけで抱え込むのではなく、子ども家庭部、福祉部、地域文化部、必要に応じて外部の専門機関も含めた連携体制をつくるべきだと求めました。
これに対し区は、
外国籍児童生徒の就学先確認は一義的には教育委員会が担うが、確認手順や体制の整備を改めて検討し、関係機関との連携も図りながら進めていきたい。
と答弁しました。
この答弁は一歩前進です。
ただ、ここで終わらせてはいけません。必要なのは、
・どの段階で訪問に移るのかという基準の明文化
・誰が担うのかという体制の整理
・実際に動けるだけの人員と予算の確保
などの具体的方策です。
■ すべての子どもに、確実に教育の機会を
今回の質疑で見えたのは、練馬区がようやく動き始めた一方で、まだ仕組みとしては十分ではないということです。
戸別訪問を始めたことは前進です。しかし、子どもたちに本当に必要なのは、「制度があります」という言葉ではありません。実際に見つけてもらえること、つながれること、そして学校で学び続けられることです。
国籍にかかわらず、地域に暮らすすべての子どもたちに教育の機会が届くよう、引き続き改善を強く求めていきます。これまでの訴えはこちらをご覧ください。
