3月10日の文教児童青少年委員会で、子育て支援サービスの充実が報告され、その中でファミリーサポート事業の見直しが示されました。ファミリーサポートは区の講習を受けた援助会員が、子どもの預かりや送迎などを行う地域の支え合いの仕組みです。今回、援助会員に支払われる額は1時間800円だったのが、今年7月から平日1時間1300円、土日祝は1400円へ引き上げられます。利用者負担は平日900円、土日祝1000円となり、区が1時間あたり400円を上乗せします。さらに、援助会員を探すマッチング手続きにはLINEが導入され、調整の迅速化も図られます。

今回の見直しは私が何度も訴えてきた事であり、大きな前進です。区が公費を入れて400円を上乗せし、援助会員に届く謝礼を一気に引き上げるところまで踏み込んだ意義は非常に大きいと思います。

(出典:練馬区 委員会資料「子育て支援サービスの充実について」2ページより抜粋)

委員会資料はこちらをご覧ください。

10【資料6】子育て支援サービスの充実について

■ そもそもファミサポとは?

保護者が仕事、通院、きょうだいの送り迎え、ちょっとした用事などで子どもを見てもらいたいときに、地域の援助会員が一時的に預かったり送迎したりする制度です。ベビーシッターとは少し違い、地域の支え合いを土台にした仕組みで、子育て家庭にとってはなくてはならない存在です。

■ なぜ見直しが必要だったのか

問題は、その大切な制度が、担い手の善意に頼りすぎてきたことです。委員会でも、令和7年4月1日現在の利用会員は1万489人、援助会員は286人と説明されました。利用する側は増えているのに、支える側は横ばい。援助会員の平均年齢も60代と答弁されており、担い手確保は待ったなしの課題でした。

■ これまでどう訴えてきたか

この問題については、長年にわたり改善を求めてきました。2023年3月の予算委員会では、前年度の利用が1万5981件ある一方で、援助会員への謝礼は1時間800円のまま長年据え置かれていることを指摘し、「区の制度なのに、なぜこれほど低いままなのか」「区として補填すべきだ」と求めました。これに対し区は、当時「近隣区と比べてそれほど安いわけではない」として、見直しに後ろ向きでした。

(詳細はこちら→https://iwasetakeshi.net/2023/03/voluntary-2/

その後、2023年10月の決算審議でも改めて取り上げました。その時のブログでは、練馬区の援助会員は268人、依頼会員は9727人で、援助会員1人あたり36人分の需要を抱える深刻な状況だと指摘しています。平均年齢61.5歳という数字も示し、担い手を増やすには報酬改善が不可欠だとして、区独自の上乗せや支払い方法の見直しを求めました。とくに、「利用者負担をむやみに増やすだけではなく、区が差額を負担すべきだ」と訴えてきました。

(詳細はこちら→https://iwasetakeshi.net/2023/10/family-support/

2024年9月の補正予算への反対討論でも、私はファミサポの800円据え置きを、暮らしに根ざした支援にもっと予算を回すべき象徴として挙げました。つまり、この問題は単発ではなく、継続して訴え続けてきたテーマです。

■ 他区と比べても、今回の前進は大きい

現在も、板橋区は平日9時〜17時が800円、豊島区は平日7時〜19時が800円、杉並区も通常時間帯は800円が基本です。豊島区には、虐待対応などの研修を受けた援助会員に1時間200円を上乗せする仕組みがありますが、それでも基本額は800円です。

その中で、練馬区は今回、利用者負担を100円増やすだけでなく、区が400円を上乗せし、援助会員に支払われる額を平日1300円、土日祝1400円にまで引き上げます。利用者負担だけを見れば他区と大きく離れていません。しかし、援助会員に届く額で見れば、明らかに一歩踏み込んだ見直しです。ここが今回のポイントです。

■ 「法定事業だから変えられない」を越えた

これまで区は、「法定事業であること」や「他区でも800円が多いこと」を理由に、引き上げに慎重でした。ですが、本日の委員会では、料金設定そのものは自治体の対応によるもので、今回の引き上げも担い手確保のために判断したと説明しています。つまり、これまで動かなかった制度を、区が自らの判断で見直したということです。これは、私が訴えてきた方向に、区政がようやく踏み出したと言ってよいと思います。

■ 今後に向けて

今回デジタル化されるのは、支払いそのものではなく、援助会員とのマッチング手続きです。LINEで一斉に依頼を流し、調整時間を短くする仕組みが導入されます。これは前進です。一方で、支払いのキャッシュレス化や、今後の物価・賃金上昇に応じた柔軟な見直し、若い世代が援助会員として入りやすい環境づくりなど、まだ残る課題もあります。

それでも、20年以上動かなかった800円据え置きに風穴を開けたこと、そして区が公費を入れて担い手を支える方向へ舵を切ったことは、はっきりした成果です。ファミサポは、「善意がある人に頑張ってもらう制度」で終わらせてはいけません。

今回の見直しは、その第一歩です。私はこれからも、必要な人が使え、支える人も続けられる、持続可能なファミサポに向けて改善を求めていきます。ご意見などぜひお寄せください。