先日、牧師の平良愛香さんの講演会に参加しました。
平良さんは日本で初めてゲイであることをカミングアウトした牧師で、性的マイノリティの方に対する差別や偏見の解消や、当事者支援のための活動を各地で行っています。家族が通っている大泉教会とも深い縁のある方で、今回お話を伺うことを楽しみにしていました。

講演会ではご自身の経験とともに性的マイノリティを取り巻く状況についてお話されました。ご自身が性的マイノリティであることをカミングアウトされた際、最も傷ついた言葉が、「大丈夫、そのうち治るよ」だったそうです。誰を好きになるか、それは決して病気ではない、にも関わらず、病気であるかのようにレッテルを貼られることが辛かったとお話されました。

また、平良さんにとって大変な勇気を必要としたのが、カミングアウトすること。だからこそ、カミングアウトしやすい環境を作ることが大切とのお話でした。
平良さんもおっしゃっていましたが、日本では同性愛者であることで処罰されることを理由として難民申請したイランの人が不認定(裁判でも敗訴)になったりしているそうです。この根本には、「隠せば処罰されることはないのだから、隠して生きればいい」というような、性的指向がアイデンティティの大切な一部であることに関する日本特有の無理解があるのではないかと思います。

この1年を通して、私が一般質問等で訴え続けたことを通じて、男女共同参画計画の中に性的マイノリティの方のニーズへの対応が盛り込まれたり、性的マイノリティも対象とした相談窓口が整備されることになったり、様々な進展がありました。しかしこうした制度を作ることとともに、実際に制度を担う方々がしっかりと本質を理解することも大切だと実感しました。

多様な生き方が認められる寛容な社会は、誰にとっても生きやすく住みやすい社会です。
少数者が生きづらい社会は、自由な社会とは言えないと思います。だからこそ、これからもこの問題にしっかりと向き合っていきたいと思います。