息子の発熱

先日、息子が突然の発熱。 ついさっきまで元気だったのにお昼寝の後、熱を測ったら39.2度も! とはいえ、本人はいたって元気。おろおろする私たちを傍目に元気に遊ぼうとする。 熱があってウルウルした瞳、メロメロになる私たち。普段は食べさせない甘いものも、こういう時は好きなだけ食べさせてしまう。すると、さらに嬉しそうにニコニコする息子。完全に手の上で踊らされています… そして、翌朝には完全に熱も下がる。しかし、最近忙しくて休日がほとんどなし。息子とも全然向き合えていなかったことを反省。これを機会に一日を息子デーに充てることに。 1か月前、つまり1歳と数週間で、初めてはいはいから一歩へと踏み出した息子。 お誕生日にはまだつかまり立ち&伝い歩きしかしていなかったので、いつになったら立ってくれるかな、歩いてくれるかな、とそわそわしていた私たち。しかしいざ歩けるようになると行動範囲が一気に広がり大変なことに。いろいろなところに登りあがり、すでにソファから何度か落下している。あと、最近の彼のマイブームは人の財布をいじること。財布のカードを全部抜き出しては戻すということに大喜び。しかし、元の場所に戻すことは望むべくもなく、病院に行って保険証がいつもの場所に見つからず、冷や汗をかくこともしばしば。不思議なのは、ぜんぶカードを抜いたあと、最後に持つのは必ず私の名刺だということ! そして当日。いつも抱っこで外に連れ出していたが、初めて自分の足で一緒に歩く。左手を握って横でトコトコ歩く姿をみると、それだけでなぜか感動、涙がでそうに。。。 通常だったら5分で着く図書館に、今日は15分以上かかってたどり着く。いつものことに倍以上のかかってしまう、そんな中でいつも面倒を見てくれている妻に改めて感謝。 ずいぶんの運動をした息子、夜はゆっくりと眠ってくれた。

2018-08-21T09:42:04+09:002015年11月10日|Tags: |

小さき声のカノン

先日、鎌仲ひとみ監督の最新作「小さき声のカノン」の上映会に参加。 この上映会、「福島こども保養プロジェクト@練馬」が企画したもので、監督も出席。 鎌仲監督といえば、個人的な話ですが、実は私たちが結婚する前、デートした時に初めて見た映画が同監督の「みつばちの羽音と地球の回転」。鎌仲監督の名前を聞いたとき、会社帰りに渋谷のミニシアターまで一緒に観にいったことを思い出しました。 「小さき声のカノン」、福島や放射線量の高い地域で生活する方々が直面する問題を正面から捉えています。地域から避難したいと思ってもなかなかできない現実や、被害から時間が経つ中で世論の関心が少しずつ低くなっている現状、また、そんな中で子どもの甲状腺や骨に異常が相次いで見つかっているということなど、ほとんど報道されることのない事実が次々に明らかにされていました。 そして、対照的なのが国の姿勢。国はこうした被害の現状に目を向けないばかりか、被害そのものが存在しないかのような姿勢を示しています。 私自身、去年と今年、飯能で行われた保養キャンプにボランティアとして参加させていただきました。参加されるお母さんたちからお話を聞く中で、地域の中でも、除染後のひばく地を離れようとする方や、その地の食べ物を食べたがらない方のことを問題視する扱いする空気さえあると聞きました。私も一歳の息子を育てる中で、もし自分が、そして自分の子がそんな状況に直面したらどうしただろう、自分が親になったことでより身近な問題として認識するようになりました。 映画を見る中で、国が国民の命を最優先に考えず、地域の方々に犠牲になってもらうという政策を押し進めている状況において、私たちはどうやって生きてゆけば良いのだろう?一人一人が問いかけられた気がします。 自分の意志で道を切り開こうとする福島のお母さんたちの生き方に感銘を受けるとともに、地域でもしっかりとこうした状況を直視し、ともに支えあえるような社会を作らなければならないと実感しました。 (写真は鎌仲監督と) Ayer, miramos una pelicula que se trata de las influencias que se ha causado por explosion de las plantas nucleas de Fukushima. Aun despues de 4 anos, muchas personas, especialmente los ninos y embarasadas estan sufriendo en los barrios. El gobierno Japones tiene que escuchar sinceramente la voz de la gente. Foto con la directora de la pelicula.

2018-08-21T09:42:04+09:002015年11月9日|Tags: |

田中正造の足跡を辿る旅行

昨日、「市民の声ねりま」会員の皆さんと日帰りでバス旅行を行いました。 36名もの方に参加いただきました。 市民の声ねりまが企画する旅行ですので、楽しむだけではなく、私たちの活動につながる何かを学ぶことも目的としています。今年は田中正造の足跡を辿るツアーを行いました。 田中正造は、明治時代の政治家で足尾銅山の鉱毒事件の際に天皇へ直訴した事が有名。もともと豊かな家に生まれましたが、全財産を人々に分け与え、死んだときにはお豆の袋一つ分の財産しか残っていなかったといわれています。 当時の日本、富国強兵方針のもと、銅の輸出が外貨獲得の重要な手段となっていました。 しかし、銅産業の成長は、精錬過程で発生する煙害の発生や重金属を含んだ排水による水質汚染や土壌汚染などの公害を生み出しました。 そして、水質汚染の影響を受けたのが今回訪問した谷中村、足尾銅山から100㎞も離れているのに、渡良瀬川の源流が汚染されてしまった結果、大変な被害を受けました。しかし、政府は問題を隠すために、治水工事という名目で村全体を水没させることに。そして、村人は村を離れざるを得ず、かなりの方が北海道開拓のために網走の近くの佐呂間町へと送られました。新天地での生活は過酷を極め、移住者の多くは元の土地へ帰ることを望みましたが、最終的に政府が非を認め土地を提供したのは1970年代になってからのことでした。 ツアーの中で最初に訪問したのが足尾銅山。操業を停止してから長い時間が経ち、たくさんの方が植林を行っているにも関わらず、今でも木が生えずに赤い山肌が覗いているのが印象的でした。そして、その後水没した村の跡地を訪問。そこには、田中正造が通った神社や共同墓地の跡が残っています。鳥居だった場所に、神社だったことを示す看板が立っている姿やたくさんの墓石が並んでいる姿を見て、巨大な権力によって、川底に沈められてしまった村の人たちの無念さが少しだけ感じられた気がします。 田中正造記念館で話を聞く中で実感したのが、これは過去の問題ではない、ということでした。当時、鉱毒が問題になり始めたころ、政府が川の水を分析。その結果は、全く問題ないとのこと。この結果に不信感を持った村民は独自に専門家に調査を依頼。そして、多量の重金属を発見したとのことです。 その後、住民たちは組織を作って反対活動を行おうとしましたが、足尾銅山の操業によって生活が成り立っている方も多く、地域が二分されてしまいます。反対とともに賛成の陳情も出され、絶対数だけで見ると賛成のほうが多かったとのことです。 一連の流れを見ていると、原発の問題とあまりにも似ていることに愕然。 田中正造の言葉、「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」彼の人々に寄り添った姿勢に強く胸をうたれました。

2018-08-21T09:42:04+09:002015年11月4日|Tags: |

議会終了後、十年ぶりの喘息の発作

議会と視察が終わって「さあ、たまった仕事をやろう!」と思ったら、朝から喘息の発作と風邪のコンボで息も出来ず。はい、実は私、昔は重度の喘息児でした。大人になってからは大学生の時の発作が最後、たまに苦しくなるくらいだったのですが。久しぶりに病院に行くと、お医者さんも驚いてそのまま点滴室へ。一時間をかけて処置をしていただく。 ベッドに横になっていると、思いはなぜか昔のことへ。「点滴を受けるのはいつ以来だったかな?」 そういえば、数年前インドネシアに出張中、路上で買い食いして食あたりをおこして日本人が経営しているタケノコクリニックというところで受けたんだった、ところでタケノコと言えば、おじいちゃんがいつもタケノコを掘って持ってきてくれたのが美味しかったな、あれ、待てよ、おじいちゃんと言えば、小さいころいつも野山に連れて行ってくれてたな、私も息子を今度連れてってみよう、そうそう、息子が最近習ったたけのこ体操ダンス、手をパチパチしてノリノリでかわいかったな… なんて、様々な記憶が荒野を駆け巡る…これって私やばいんじゃ?? なんて急に弱気になる私、とはいえ、1時間の点滴の後、すごく体も楽になる。 しかし、咳をしすぎて、背中全体が筋肉痛に。背中を真っすぐにしておくのがこんなに苦しいなんて、と思いながら、皆さんにすごく優しくいただき、そして息子までもなぜか優しい…たまにはこれも悪くない、なんて思ってしまいました… そして、議会や視察が終わるまで我慢してくれた体に感謝。 (写真は引き出しに入って大喜びしている息子) Despues de tantos anos, tuve ataque de asma en la manana. fui a un hospital y recibi infusion... recibiendo tratamiento, recordaba los dias de ninez cuando sufria mucho de asma, y nuevamente agradecia familia quien siempre me ayudaba

2018-08-21T09:42:04+09:002015年10月27日|Tags: |

マイナンバー勉強会(マイナンバーの問題と私たちにできること)

<マイナンバー勉強会(マイナンバーの問題と私たちにできること> 昨日、市民の声ねりま主催でマイナンバー勉強会を行いました。講師には「共通番号いらないネット」世話人の白石孝さんにお越しいただきした。会場には80名分の席を用意したのですがあっという間に満席に。マイナンバーが間もなく本格施行される中での皆さんの高い関心を実感しました。 今回は、主に 1) マイナンバーの問題点、 2) マイナンバー導入に向けた練馬区独自の取組、 3) マイナンバー制度反対のために私たちができること、について勉強しました。 1) マイナンバーの問題点 a) マイナンバーの範囲が拡大され、国家による監視が高まる。 マイナンバーの問題として最も大きいものが、今後マイナンバーの範囲が拡大されるとともに、国による個人の監視、統制が高まる恐れが強いということです。 まず、範囲の拡大について、政府は当初、使用範囲を税や社会保障、災害対策の三分野に限定していました。しかし、施行前の9月には、既に預貯金口座などにも拡大されました。さらに、今後の方針を示した「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ(案)」によると「マイナンバーカードの健康保険証との統合」や「クレジット機能の追加」なども提案されています。 政府の計画では、2016年3月までに個人カード(マイナンバーカード)を1,000万枚発行、そして2019年3月までには8,700万枚発行することを目標としています。これは、日本の経済人口の80~90%に相当しており、この時点で、現在は任意のマイナンバーカードの保有が義務になることが予想されます。そして、このことによって、国による個人の監視、管理が可能となります。 b) 情報漏えいや不正利用のリスク 個人情報の管理はシステムにおいても運用においても大きなリスクを負っています。個人情報は一度流出したら取り返しがつきません。 例えば、先行するアメリカでは、2006年~2008年に、なりすまし犯罪の被害は1170万件(16歳以上の人口の5%)、損害額は約173億ドル(約2兆円)と言われています。また、韓国でも大統領を含む数千万件の個人情報が流出しました。 こうした状況を踏まえて、韓国やカナダでは民間分野での利用禁止や規制、アメリカでは省庁により独自番号の切り替えなど、共通番号の見直しを進む動きがみられています。そうした中、日本が新たに官民分野の多岐にわたる共通番号を導入するのは時代の流れに逆行しています。 c) 多額の費用が必要 マイナンバー制度の導入のための14~15年度政府予算は最終的には3000億円程度。地方自治体についても国が負担とされていたにもかかわらず、5月の政府答弁で3,000億円が必要とされています。ここ練馬区でも本年度、システム改修やカードの通知だけで8億円、このうち4割にあたる3億円以上は(住民税も含む地方税など)一般財源からだされています。 2) 練馬区独自のマイナンバーの利用 マイナンバーについて、たくさんの問題が噴出している中で、人口が約72万人のここ練馬区では、マイナンバーの普及に関して2年後には26万枚にまでしたいとしています。 その方法について、区の考えとしては、現在20万枚ほど発行されている印鑑登録カードと住基カードについて、これをマイナンバーカードと一体化することで26万枚を目指すとのこと。 また、マイナンバーカードの導入を促進するために、コンビニで住民票の写しや戸籍謄抄本も含む証明書の発行を行えるようにする、との方針も出しています。しかし、対面での本人確認がないまま個人情報を手軽に引き出すことが出来るというのは、被害が出れば影響は甚大です。特に戸籍情報については非常に慎重な取扱いが求められる中で、コンビニでの自動交付というのはあまりにもリスクが大きいと言わざるを得ません。 3) マイナンバー制度反対のためにできること そうした中、マイナンバー制度が普及するのを防ぐために私たちは何ができるのでしょうか? まず、マイナンバーは住民票があるすべての国民に自動的に付与されていることから、番号が付けられること自体を拒否することはできません。 そうした中、私たちにできることは、まずは「マイナンバーカード」の発行を申請しないことです。 番号を通知する「通知カード」は11月には各世帯に自動的に郵送されますが、その後、写真付きの「マイナンバーカード」を作るかは任意です。 だからこそ、まずはこれを申請しないことで政府の計画しているマイナンバーカード普及に対して反対の意思表示をすることができます。 同時に、自治体独自の運用、特に範囲の拡大に反対することが必要です。練馬区を含む各自治体でもカードを普及するためにコンビニでの利用や印鑑証明カードや住基カードとの一体化を含めた新たな条例を作ろうとすることが予想されます。だからこそ、こうした地方自治体の活動を監視するとともに、地域からしっかりと反対の声を挙げることが必要です。 マイナンバー制度が抱える問題について、丁寧かつ具体的にお話いただいて、とてもわかりやいものでした。特に、政府が国民の官民にまたがるすべてのデータを一元的に管理しようとするというのは、独裁国家のやり方だ、という意見は非常に印象に残りました。マイナンバー制度自体の導入は決まってしまいましたが、実際の運用を含めて、大切なのはこれからの対応です。私たちも地域の中で、しっかりと監視していきたいと思います。

2018-08-21T09:42:05+09:002015年10月20日|Tags: |

安保法制若者の抗議活動に参加

昨日、「戦争法案を許さない!ねりま青年の会」が実施している駅頭での抗議活動に参加。この集まりでは、練馬区在住の大学生等が安保関連法制の撤廃を求める声をあげている。 抗議活動には、共産党の戸谷議員、生活者ネットの君垣議員、やない議員も参加。 党派を超えて、明らかに違憲な安保関連法制を許さない、という思いで地域の中で集まった。 そんな中で行われた今回の内閣改造。目玉として、「一億総活躍相」が設置されたが、まずはその名前にものすごい違和感。どうしても「一億火の玉」や「一億総懺悔」などの戦時中や戦後直後の標語を想像してしまう。政権の皆さんも当然、これらの軍国主義的使われ方を知っているハズ。また、どうも上から目線が漂う。そもそも何をもって「活躍」とするのだろうか。日本経済等、国家にどれだけ役に立つかだろうか。その背景には政権が、弱い立場の人も含めた多様性を否定し全体主義を押し付けようしようとする姿勢が透けて見える気がしてコワい。 憲法は国民を守るために、そして、間違いを犯しやすい権力を縛るためにこそある。私は世界の様々な国を見てきて、どんなに立憲主義というのが重要かを肌で感じてきた。 日本には法治国家であってほしいし、民主主義の国であってほしい。だからこそ、この法制を何としても廃止なければならない。 安保関連法に対する違憲訴訟が準備されているが、訴訟は時間がかかるし、難しいことは先日も書いた。落選運動も必要だが、識者によれば、「安保関連法廃止法案」の国会提出も有効だという。『大衆の忘却力は大きい』とヒットラーが言ったというが、そうはいかない。来年まで、そして今後何年も、この暴挙をみんなで覚えておかなければならない。そのために、国会内外でこの法律が「違憲である」という認識を維持しなければならないのだ。 そういったとりくみを地域からも粘り強く、諦めずに、支えて盛り上げていきたいと思う。 (写真は左から生活者ネットの君垣議員、やない議員、右端が共産党の戸谷議員)

2018-08-21T09:42:05+09:002015年10月8日|Tags: |

第三回生活・法律相談会のお知らせ

10月10日(土)14時半から17時まで、市民の声ねりま運営委員で弁護士の伊藤朝日太郎さんとともに第三回生活・法律相談会を行います。 まちづくりについて、保育園をはじめとする子育て支援について、不登校や若者の進路、高齢者や障がいを持つ方への支援、外国人の方の生活相談など、どのような分野のお話でも政策レベルから個人のお話でもみなさまのご相談を無料で伺います。 これまでの相談会では、子育てに関するお話、地域のご相談、起業に関するご相談等、様々なお話を伺っています。 また、外国語での相談も歓迎。英語、スペイン語でのご相談にも対応いたします。 ご予約の上、ぜひ気楽にお越しください!!

2018-08-21T09:42:05+09:002015年10月6日|Tags: |

安倍首相の国連での難民支援のスピーチについて思うこと

国連で安倍首相はシリア難民支援のために8億1000万ドルを拠出すると発言。一方で、日本での難民の受入れに関する言及はなかった。しかし、その後の記者会見では次のように述べている。 「今回の難民に対する対応の問題であります。これはまさに国際社会で連携して取り組まなければならない課題であろうと思います。人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手があるということでもあります。同時に、この難民の問題においては、日本は日本としての責任を果たしていきたいと考えております。それはまさに難民を生み出す土壌そのものを変えていくために、日本としては貢献をしていきたいと考えております。」 …いろんな意味で、驚いた。 まず難民の受け入れは人権・人道の問題、というか、日本が締結している難民条約という国際条約上の義務である。 日本には昨年も5,000人もの難民申請があったにも関わらず、認定されたのは11人(そのほか30人の人道配慮による滞在許可あり)。シリア人に限っていえば、日本でも国内に500人近くのシリア人が暮らし、そのうち約60人が難民申請をすでにしている。結果がすでに出たのが38人で、その中で日本政府が難民として認定したのは3人。つまり認定率は4%に過ぎない。残りは人道配慮による在留特別許可がなされた。 2011年4月~2015年7月末までに欧州各国に入ったシリア人は、ドイツ9万8千人、スウェーデン6万4千人、オーストリア1万8千人、イギリス7千人に達している。入国後の処遇を見ると例えば2014年ではドイツは87%以上(補完的保護による滞在許可を含めると100%)、イギリスは91%以上を難民条約上の難民として認定している(2015年6月18日現在、UNHCRの統計)。                                               フェアな見方をすれば、とりあえず日本で申請したシリア人は全員、広い意味での「保護」はされていることは、認識すべきだろう。しかし、この広い意味での保護、「難民条約上の難民」と比べると処遇・権利がかなり劣るという。なぜ、シリア難民の多くを認定しないのか。理由として、要するに(厳密な言い回しではないが)「戦争が起こっており、多くの人が攻撃を逃れてきているから条約上の難民ではない」というような説明がなされているようだが、この戦争の背景にはまさに宗教的・政治的な対立があるのだから、少なくとも大半は、条約上の難民に認定該当しうるはずなのだ。ここがまさに、「難民条約の解釈が狭い」ということで、認定率が低い大きな原因である。 自力でたどり着くシリア人に加えて、難民キャンプなどから直接受け入れる「第三国定住」による受け入れも、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどが名乗りをあげた。28か国が計10万人以上の受け入れを表明している。 確かに、難民が流出する根本原因に対処することは大切だ。しかし、まずは国内に既にいる難民の受入れをしっかりしないといけないのでは。 また、後半の人口問題のくだり。そもそも難民の受け入れを人口問題としてとらえてしまうこと自体問題なのだが、仮に人口問題の文脈で外国人一般の受け入れを語るのであれば、「女性と高齢者の活躍(それ自体の実現にいろいろ課題がある)」だけではもはや、日本の少子化は対応できないのは明らかではないか。また、グローバル化の流れのなかでどの国でも外国人は増える一方であり、何十年も前から一生懸命日本で生活し働き納税し、それこそ「日本経済に貢献」してきた人々も含め、外国人との共生は不可避だ。日本は一刻も早く移民政策を策定して移民の受け入れを正面からすべきなのに、この期に及んで、まだ本気で言っているのだろうか、という気がしてしまう。 これは国の問題だけではない。私が住む練馬区にも難民の方、申請中の方、移住労働者も住んでいる。彼等を含む外国人の方が地域の中で差別や偏見に苦しむことなく、また単に労働力としてみなされるのではなく、地域を豊かにしてくれる仲間として共生できるような仕組みを作ることこそが草の根の国際協力だと信じる。 【難民支援協会】 特集 シリア難民はいま 400万人を超えたシリア難民。 欧米諸国、日本の受け入れ状況は?

2018-08-21T09:42:05+09:002015年10月1日|Tags: |

NPO法人ふらじゃいるの活動

先日「NPO法人 ふらじゃいる」が行ったカフェに参加。 ふらじゃいるは精神障がいなどを抱えた仲間が中心となり、練馬区を活動拠点としてはじまった団体。一番の特徴は、専門家の知識や技術よりも当事者の経験にこそ病気や苦労を解明する知恵が眠っている、という考えから、こころの病気をもつ当事者の方々によって設立されたこと。だからこそ、モットーも非常にユニークで「病気を出す居場所作り」「世界一弱くて明日にでも潰れそうなNPO」となっている。 今回は、当事者の方々が、抱える悩みや課題を共有し、解決策をみんなで考える「当事者研究」という取り組みにも参加させていただいた。参加者だった若い男性の悩みで、信頼していた方に陰口を言われて傷ついたとのこと。 当事者研究では、皆さんが自分にも似たような経験があったか、そして、そんな時にどう感じたか、など自由に話をした。そして、その現象のみにとどまらず、問題の根幹がどこにあるのか、そして、今後どうやって対応したらいいか、話し合った。 解決策だけを検討するのではなく、話し合いのプロセスの中で、それぞれが共感し、参加する。参加者が一体感をもって解決に取り組む姿に感銘を受けた。 地域の中でのこうした取り組み、今後もぜひ参加していきたい。

2018-08-21T09:42:08+09:002015年9月30日|Tags: |

安保関連法へのこれからの取組み

昨年まで、JICA等の専門家として途上国で活動をしてきた。 内戦が続くパキスタンやコンゴ民主共和国で仕事をしていた時、私が心がけていたこと、それは、敗戦後、日本がこれまで軍隊を持たず、どうやって復興してきたか、様々な課題がありながらも、曲がりなりにも、その前提には憲法9条があり、誰も殺さないことを基礎としてきたこと、それを紛争国の方に伝えることだった。 コンゴ民で働いていた時、元少年兵の方から、「日本では戦争をしなんて羨ましい」と言われたこと、今でも覚えている。その日本がこんな形で集団的自衛権を認めることになるなんて、本当に情けない。 そんな中、憲法とは何か、立憲主義とは何か、そして今後何ができるのか、考えたいという思いから、市民の声ねりま運営委員の二人の弁護士、小林明隆さんと伊藤朝日太郎さん(明日の自由を守る若手弁護士の会)による委員への勉強会を実施した。 そもそも憲法では、「憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」(98条)とあり、憲法違反の法律は、すべて無効であると明記されている。 だからこそ、私は安保関連法案が可決されても、この条文がある限り、裁判所が違憲判決を出せば、すぐに廃案にすることができるのではないか。そこに希望を見出す人も多いと思う。 現在安保関連法について、憲法学者などが「憲法9条に違反する」として今後、集団で国に対す訴訟を起こすことにしているようだ。しかし、講師によれば、これは簡単ではないという。日本では、そもそも法律が違憲かを判断する憲法裁判所は存在しない。だから、違憲かを問うには通常の裁判所に訴える必要がある。そして、そのためには、基本的には、ある法律が憲法に違反する、ということではなく、ある具体的な事件があって、それを規制する法律が憲法に違反している、ということを訴えなければいけないからだ。 さらに、それが受理されたとしても、裁判所が必ずしも、法律の違憲性を判断するかは不明とのこと。例えば、安保条約や自衛隊の合憲性について、「高度に政治的な判断を要する」という理由でこれまでも裁判所は判断を避けている。つまり、今回の安保関連法については、判断自体を避ける可能性もある。 驚く参加者も多かった。憲法に違反していることが明白であるにもかかわらず、それに対して司法は何もできないかも知れないなんて。だとしたら、政権はどんな法律でも作ることが出来てしまう。三権分立って、なんだ?と思うのも無理はない。 そこで皆で出した結論。それは、誰かに任せるのではなく、結局は自分たちでしっかりと行動しなければいけないということ。私たち一人一人が、次の選挙で、安保関連法に賛成した議員を落選させて、この法案を廃止しなければならないということ。そのためには野党の共闘が不可欠だ。 今日は息子の誕生日だった。同時に、日本の立憲主義の礎が根本から揺るがされた日。息子や孫の世代に、どんな日本や世界が残せるか、しばし暗澹たる気持ちになるが、前を向かなければいけない。絶対にこの法律が廃止となるよう、声を挙げ続ける。

2018-08-21T09:42:08+09:002015年9月19日|Tags: |
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