和田春樹 先生のお話 “Eternal vigilance is the price of the liberty”
毎年恒例の「 平和を愛する大泉市民の集い 」の新年会に参加しました。この会はベトナム戦争に反対するために東大教授だった和田春樹さんが立ち上げた会で、私の義理の両親も参加していました。例年お声がけいただき、参加するのは今年で5回目になります。 和田さんのお話、特に1月23日の朝日新聞にもコラムとして掲載された 桜を見る会 の名簿紛失に関してのものが印象的でした。 1. 政府がこれまで隠蔽したことに比べたら桜を見る会は小さなこと?? 和田さんによると日本政府がこれまで隠蔽してきたことに比べると、桜を見る会の名簿紛失は小さなこと(!)のことでした。日本はこれまでも「都合の悪いものを隠す専門家」だったとのことで、その一つが 北方領土 に関するものだそうです。日本政府は現在、サンフランシスコ平和条約でクリル列島について日本政府は主権を放棄したものの、北方四島はクリル列島には含まれないので返還を求めている、と主張しています。しかし、1955年までは、日本政府は択捉島、国後島をクリル列島の一部として認めていた、とのことでした。 2. 北方領土問題、なぜ4島返還の議論になったの? そのため日ロ交渉においても、当初は二島返還のみの協議が行われており、1955年にフルシチョフと鳩山首相のやり取りの中で変換がほぼまとまりかけたとのこと。しかし、ソ連との接近を恐れた吉田元首相と米国政府が、交渉を決裂させるために4島返還へと急に舵を取ったとのことでした。クリル列島に二島が含まれるという見解の公文書は国内では削除してしまったとのこと。しかし、海外での公文書博物館ではかつての日本の見解が残っているとのことです。 2019年末には二島返還について重光外相とダレス米国務長官が1955年にやり取りした内容について、64年ぶりに公開されましたがその内容も未だにほぼ黒塗りになっているとのことです。和田さんによると、北方領土問題についても「都合の悪い資料は焼く、捨てる、削除する」ということが繰り返されているとのことでした。 結論 政府が資料を隠蔽しようとすることを、市民として監視しなければ! 米国の公文書館には”Eternal vigilance is the price of liberty”「永遠の監視は自由を得ることの代価」と示されているとのことです。公文書の公開を求めるという権力監視を怠れば、国民の自由は必ず侵されるとのことであり、まさに今の安倍政権にもあてはまるとの言葉はとても印象的でした。 区議会においても、委員会の資料を当日まで委員にも公開しない、傍聴者には資料を提供しないといったことを改めるよう何度も求めてきましたが、いまだに前に進みません。広く情報が開示されて、市民が監視できるような体制を地域からもしっかりと作られるよう、訴えていきたいと改めて思いました。