「保育園落ちた、日本死ね」という匿名のブログが話題になっています。このブログ、子どもが認可保育所に受からなかったことで、会社を辞めざるを得ないという切実な思いとともに、制度の在り方を批判しています。

先日、練馬区でも保育園の第一次募集の結果が発表されました。練馬区で認可保育所に入るためには都内でも有数の高倍率、近くの保育園でも20倍というとんでもない数字でした。そんな中、妻のママ友からも次々と結果の連絡が届いたのですが、半数以上がなんと一つも受からなかったとのこと。保育園問題を扱う文教児童青少年委員として、また一歳児の子育て中の当事者としても、強い憤りを感じます。

ママ友のみなさんの多くは育休中。育休を勝ち取る(本来は権利ですが、現実はそういう感覚だと思います)ために会社で何年間も頑張ってきています。しかし、せっかく得た育休も子どもに向き合うよりも、どうやったら保育所に受かるのか、そこに多くの労力を使わざるを得ない状況です。知り合いの一人は、認可保育園に入れなかった時のために都からの認証保育園に申し込みをしたのですが、それも先着順とのことで雪が降る中、凍えながら前日の夜11時から一晩かけて並んだとのこと。応募用紙には13希望まで枠があるのですが、13園書くためにすべての園に、生後2か月の子どもを抱っこして下見に行ったという人も。そしてその後は区の担当課に自分の点数がどれくらいかの見積もりが正しいか、どうやったら確保できる確率が高まるか等を教えてもらうため、毎日のように問い合わせ、そしてママ友同士の情報交換。結果が不安で発表の前日は一睡もできなかったという人も。

皆さんの話を聞く限り、いわゆる保活のためにかける総時間は最大数百時間に及ぶのではないでしょうか。そして、それでも多くのママ友、特に80点以上のポイントを持っていると思われるママ友たちが落ち、職を失うかもしれないという状況になった人も。また、求職中のママ友たちは、保育園が見つからないと就職できない、また保育料が高いと働く意味が無いが認可には入れなかったと就職をあきらめかけています。あってはならないと思います。

練馬区でも待機児童解消のために、小規模保育の拡充や保育園の増設など行っていますが、今回の結果が示す通り追いついていません。特に、新園の建設には、将来、少子化で保育園は無駄になるからそれほど新たに作る必要はない、という反対の声もあります。しかし、これでは悪循環が止まりません。なぜ少子化が進むのか、それは子どもを安心して産み育てることができないからだと思います。まわりのママ友からもこれでは二人目のこどもなど考えられる訳もないと言われます。

練馬区の予算の使い方・プライオリティ付けが、人の生活中心でないということは今まで何度も議会の場で訴えてきました。まさにその典型例です。

さらに、いくら園を作ってもそこで働く方がいなければ何の意味も持ちません。しかし、低賃金重労働な環境のため、保育士不足は深刻です。こうした状況を改善するため、日本全体として、そして練馬区としてもしっかりと向き合っていかなければいけないと思います。