海外から日本に戻って、最も実現したかった事の一つ、それが、地域で国籍や民族などの異なる人々が互いの違いを尊重し、地域社会の一員としてともに生きる、多文化共生社会を実現することでした。
家の前にスコットランドの方が住んでいます。いつもユーモアがあって楽しい仲間なのですが、ある時、「20年以上も日本に住んで、税金も納めているのに、未だに住民として見られないで、いつまでたってもガイジンなんだ。」と悲しそうに話していたのが印象的でした。
こうした状況を改善するため、外国籍区民等の意向や要望をしっかり受け止めて区政に反映させる仕組みを作ることを、求め続けてきました。それが、ようやく実現に向けて動きだしました。
練馬区は、2012年に「練馬区国際交流・多文化共生基本方針」を作りました。この中で、「多文化共生事業の推進を図ること」を目的に、区民や区内の団体、外国人を構成員とする連絡会を設置することを掲げていましたが、全く進んでいませんでした。そこで、議会で何度も連絡会の設置を求めてきましたが、今回の委員会で終に、3月に準備会を起ち上げ、4月から連絡会を設置することが報告されました。
長いこと求め続けて、ようやく実現したこと、感慨深いものでした。
しかし、連絡会の役割をどうするかなど、まだまだ課題もあります。連絡会では、ただの情報交換ではなく、教育、福祉、防災など、幅広く扱うこととともに、外国人向けのウェブサイトの検証なども行うべきと主張しました。外国人区民を基本とした会議体とすべきとも訴えました。
川崎市や新宿区などでは「外国人市民(区民)会議」が設置されています。練馬区での連絡会も、外国人もともに生きる地域社会づくりのパートナーと位置付け、区政の多文化共生の仕組みとして機能させることを求めていきたいと思います。