★産後ケアってなに?

練馬区の来年度のお金の使い方や方針を決める予算委員会、補正予算ではママと小さなお子さんにはとっても大事な産後ケアの充実を訴えました。産後ケアというのは家族から出産後の支援をうけられないなどの特に支援を必要とするママと赤ちゃんに対して、宿泊や通所、訪問により体の回復、育児支援をおこなうことを目的にしていて、とても大切なサービスです。しかしこの1年、産後ケアの利用者は全然増えていません。産後ケアが使われていない理由は必要がないからではなく、使いづらいから。より使いやすい制度設計をすべきという論点で質問しました。概要をご紹介します。(詳細は議事録をご覧ください。)

https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/hoken/sukoyaka/sango-keajigyou.html

【1.産後ケアが増えない理由は使えないから!?去年から価格が倍になって一泊13,200円!!】

練馬区では産後ケア事業は平成29年度に開始しましたが、なぜか昨年度の利用者は増えていません。この間、実は大きな変化が一つありました。昨年度から利用料がなんと二倍になったのです。これまで宿泊型のショートステイは一泊6000円だったのが税込みでは13,200円になりました。非課税世帯の利用料金がゼロ円になったという面もありますが、対象は1割未満と言われている中で、ほとんどの母子にとっては大幅な負担の増加になります。私のもとにも利用者から、ショートステイを使いたいけど、価格が高くて使えなかったという声も届いています。値段が上がったことで利用者数への影響があるのではないでしょうか?

【区の回答】

事業費の見直しを行う際に、23区の産後ケアの自己負担金の平均額を考えて、現在の自己負担金を見直しました。この金額は23区平均を見ても適切だと思います。

【岩瀬の意見】

練馬区は適切な価格としていますが、そんなことはあり得ません…。
例えば年収210万円の家庭にとって、妊娠、出産に大変な金額がかかってしまう中で、さらに1万3千円も払って一泊の産後ケアを受けるというのはほぼ不可能ではないでしょうか。

【2.産後ケアが必要なのはどんな方?】

そもそも産後ケアは出産したからといって、誰でも利用できるわけではないと伺っています。主にどんな方が利用できるのでしょうか?

【区の回答】

若年で精神的に未熟であったりとか、なかなか強い育児不安があって、その後の育児に非常に困難を極めると保健師が考えて判断した妊婦の方に保健師を通じてお勧めしています。

【岩瀬の感想】

区の言う通り、これは福祉的なケアが必要な方を対象とした特別なサービスです。だとすれば余計にこの金額はおかしいと思います。例えば、区民の保養施設のヴェルデですと、税金を投入しているため一泊3千円で利用できます。福祉的な支援というのであれば、産後ケアで1万3千円も利用者からお金をするのは高すぎです!

【★最後の訴え】

世田谷区では産後ケアの利用率が9割を超えています。なぜこれほど違うかというと、値段が高すぎるということとともに、他の兄弟の受け入れもできるからです。

練馬区ではママと生まれた赤ちゃんしか利用はできません。それですと、実際には二人目以上のお子さんを生んだ方は利用できないことになります。区は他のお子さんは家族に見てもらえばいいと言っていますが、そもそも産後ケアは子育ての支援を得られない方を対象にしているわけですから、現実的ではありません。ですから、一泊のサービスは難しいとしても、価格の見直しとともにせめて日帰りのデイサービスだけでも他のお子さんも一緒にあずかれるような制度にして頂きたい!

【★岩瀬の思い】

産後ケアは子を産んだばかりで不安を抱えているママにとって非常に大切な制度です。産後うつや虐待を防ぐという意味でも必要としているすべての方が産後ケア施設を使えるように改善を行うべきです!