3月2日の予算委員会、子ども家庭費では谷原保育園の閉園計画への反対を訴えました。保育所は「児童福祉施設」であり、単に子どもを預ける場所ではありません。谷原保育園の閉園を決める区の過程の中には、子どもへの視線、そして保護者や地域の住民への敬意は残念ながら感じられないものでした。計画の撤回を今後も訴えていきます。
以下が概要です。
【地域で唯一の谷原保育園】
谷原保育園は1966年に開設、55年にわたり地域唯一の保育園として、5,000人をこえる子ども達を社会に送り出し、開園時の卒園生はもう60歳、2代にわたって通っている家庭もあります。長年にわたり、もちつき大会なども実施し地域にとって大切な存在でもありました。
【主張1】わずか1か月で閉園を決定?
そんな中で、2021年11月、財産土地価格審議会で私立園の誘致にあわせ、谷原保育園を閉園することが、突如として報告されました。保護者や近隣住民にとってまさに青天の霹靂。7月に所有者から土地買い取りの申し出があったと聞いていますが、練馬区は所有者に対して何月に購入すると回答したのでしょうか?
→7月下旬に回答した。
【岩瀬の主張】
地域で重要な役割を持ち、55年もの歴史を持つ谷原保育園の閉園をわずか1か月、しかも区内部の議論で決めてしまうこと、在園児のみならず、卒園生や保護者、地域の方に対してあまりにも敬意を欠いたものです。
【主張2】9千人を超える住民の思いを受け止めるべき!
練馬区は11月に素案を公表、その後、地域の住民を中心に閉園の中止を求め、9千人をこえる署名が集まり、パブコメにも200通近くの意見が届いています。こうした住民の声をどう受け止めるのでしょうか?お答えください。
→閉園を中止する予定はない
【岩瀬の主張】
どれほど署名が集まっても閉園を改める考えはないとのことです。民主主義の目的は、権力による独裁的、あるいは恣意的な政治を食い止めることにあります。多様な意見を受け止め、その中から最善と思われる選択を行うことが求められます。行政が閉園を一方的に決めることは、民主主義を蔑ろにしていると言わざるを得ません。
【主張3】子どもや保護者への配慮があまりにも欠けている。
地権者には買い取りの意向を7月に伝えたとのことですが、なぜもっと早い段階で議会やそして何よりも、来年度の申し込みを検討する多くの保護者に伝えなかったのか。また、現在の児童への配慮をどうするつもりか。
→ 区の手続きに則って行った。また、3歳時点で転園できるようにする。それ以外の児童も丁寧に対応する。
【岩瀬の主張】
区の手続きを優先して、来年度に向けて申し込みをした100人をこえる保護者を犠牲にしたといわざるを得ません。また、少しずつ子どもの数が減ってしまう中で、集団保育の重要性をずっと唱えてきた練馬区が、何の責任もない子ども達に犠牲を押し付けるというのはあってはならないことです。
【最後の訴え】
保育所は「児童福祉施設」であり、託児所ではありません。保育所の使命は「子どもの最善の利益」を第一に育児を行うことと信じます。谷原保育園の閉園を決める過程の中で、子どもへの視線、そして保護者や地域の住民への敬意が全く感じられないことに深い悲しみや憤りを感じるものです。計画の撤回を改めて求めます。