練馬区は初めて、不登校の子どもや保護者に対する実態調査を実施。その結果が11月に報告されました。
練馬区では子どもの数は減り続けている一方で、不登校の児童生徒の数は増加を続けており、昨年度は小学校では439名(全体の1.3%)、中学校では707名(全体の5.2%)に。また、不登校の定義は年間で30日以上休んだ子どものことですので、例えば給食だけ食べに来る子ども、週に数回だけ来る子どもなどは含まれておらず、こうしたいわゆる「登校しぶり」のお子さんを含めると中学校ではクラスで4-5名はいると思われます。
調査で意義のあったことの一つが不登校の理由について。
これまで、練馬区は「子どもの無気力、不安」を第一、第二を「親子の関わり方」として、本人や家庭に関わる事情を原因と報告してきました。これは子どもの不登校の原因を学校側が考えて、報告してきたためです。今年度の調査でも同じ結果でした。
私たちは委員会の中で、過去に何度も子どもの無気力や不安はあくまで結果であり、その要因には学校での問題もあるはずと指摘してきました。今回の調査で、本人からの回答を見ると「身体の不調」(50%)、「学校やクラスにあわなかった」(43%)、「友達のこと」(38%)、「先生のこと」(35%)などが大半をしめており、ようやく当事者である子ども達の思いが明らかになりました。
そのうえで、練馬区が不登校の子ども達への支援の柱として位置付けている適応指導教室について、全体の利用率は6割ですが、週に3日以上通えている子どもは2割、多くのお子さんは週に1日以下しか通えていないという結果も。別室登校についても、小学校では9割(58校)、中学校では8割5分(28校)で実施しているものの、実施の形態や時間などは学校によって決められており、教員の不足などで短時間のみという学校も。放課後登校も十分とはいえません。そのほか、学校外のサービスとして民間のフリースクールなども選択肢にありますが、月額が50,000円以上の団体が多い中で、利用した方は7%、インターネット上の教育サービスも8.5%と充分な選択肢になっていません。
子ども達自身の思いとして、学校を休んでいた時の気持ちとして、「自由な時間が増えてうれしかった」(53%)がある一方で、「進路や進学についての不安」(73%)、自分が他の人にどう思われているか不安だった」(70%)などの声も寄せられています。
大切なことは、子ども達の悩みにしっかりと寄り添うとともに、学びの権利を保障すること。今回の結果を受けて、フリースクールや民間のインターネットの教育サービスなど適応し同教室以外の選択肢も含めて充実させるべきだと思います。練馬区として、不登校の当事者の声に耳を傾けて丁寧に対応するよう、今後も求めていきます。
調査報告書の全文は下記リンクをご覧ください。