5月24日の交通対策等特別委員会、練馬区でも新たな交通手段として、デマンド交通の実証実験を開始すると報告。実験は今年12月から来年3月までの3か月間、南大泉地域を対象にしています。

デマンド交通とは、
“予約する利用者に応じて運行する時刻や経路が変わる交通方式のことで、予約がある場合のみ運行がなされます。縮小する公共交通機関の代替手段として全国各地で導入が進んでいる注目の輸送サービスです。”

昨年度は大田区や世田谷区、あきる野市などでも実証運行を開始しており、新たな交通手段として定着するか注目を集めています。

どのように実施するの?

練馬区ではタクシーを活用することにしており、予約に応じて仮想バス停から仮想バス停まで移動することに。仮想バス停はそれぞれのご自宅の近くなど、数十か所を想定、事前にアプリや電話で予約を受けて、AIが適切な運行を計算し実施します。運行は毎日、9時から17時までで運賃は近隣自治体の状況を参考に100円から300円程度で検討とのこと。今回は、公共交通空白地域として区内で最大の領域となる南大泉地域で実施され、主な利用者は高齢者を想定しています。本事業の予算は1500万円で全額練馬区が負担します。

 

以前実施した乗り合いタクシーとの違いは?

練馬区は平成24年に乗り合いタクシーの導入実験を行いましたが、採算性が低いという理由で断念。乗り合いタクシーでは、駅までの直結をしなかった、定期便として時間や停車場所が固定だったという課題があったとのこと。今回は武蔵関や保谷駅まで直結するほか、時間も希望に合わせるよう改善しています。

今後のスケジュールは?

運行事業者のタクシー会社を決定し、運賃や仮想バス停の検討を実施、その後12月から3月にかけて実験を行います。

課題は?
先行自治体のケースを見ると、採算性が非常に厳しい、予約の手間が大変で利用が伸びない、運転手が確保できないなどのケースも。大泉学園町など多くの交通空白地域が存在する中で、非常に必要性は高い事業だと思います。ぜひ全区への拡大が進むよう、推移を見守りたいと思います。ご意見などあればぜひお寄せください。