練馬区は12月、「区立学校適正配置第二次実施計画」(素案)を策定しました。計画では光が丘第八小学校と豊渓中学校が適正配置(統廃合)の検討の対象に選ばれています。しかし、そもそも少子化が進む中で、区の考える「適正」な規模の考え方自体を変える必要があります。12月11日から1月16日まで、こちらから住民の意見募集(パブリックコメント)を行っています。また、1月には学校での説明会も開催されます。ぜひご意見をお寄せください。
なぜ適正配置(統廃合)を行うのか?
練馬区は小規模校の適正配置が必要な理由として以下のように説明しています。
集団活動や行事が活発に行われ、児童・生徒が様々な人との関わりの中で学び、成
長していくために、学校には一定の児童・生徒数と学級数が必要です。そのためには、
学校の適正規模を確保し、児童・生徒が良好な教育環境の中で学び、成長することが
できるよう、学校の適正配置を行う必要があります。
適正配置(統廃合)対象校の基準は?
練馬区は本計画の中で適正配置(統廃合)の対象校について、次のような順序で選別しています。
- 20年後の過小規模校・過大規模校を算出
- 過少規模、過大規模校の中から改築に課題のある学校を軸に抽出
- 上記2項目を満たす学校について、さらに4項目から判断
①20年後の学校規模、②通学距離、③近隣校の受け入れ可否、④人口変動の要素
統廃合の対象となる学校は?
小学校
小学校では、光が丘第八小学校を田柄小学校(一部は秋の陽小学校)へ統合することが検討の対象に選ばれました。また、春日小学校の一部が練馬小学校、高松小学校への学区域変更が検討されることになります。そのほか、大泉第一、橋戸、豊玉第二、南が丘、南田中、大泉学園、開進第三、中村小についても候補となりましたが、今回は最終選定で対象外となっています。
光が丘第八小学校について
練馬区は光が丘第八小学校について以下のように説明しています。
光が丘第八小学校は、現在(令和6年度時点)も将来推計(令和 26 年度)でも7学級で、いずれも区内で最も学級数の少ない小学校です。築年数は 36 年と浅いですが、将来も単学級が続く見込みであり、適正配置の検討が必要です。
この結果を受けて、練馬区は光が丘第八小学校について、2032年度から2036年度にかけて統廃合を行うとしています。
他方で、学校評価アンケートを見ると、保護者の84%が学校の教育方針や雰囲気に共感できると回答、85%が子ども達が学校に行くのを楽しいと感じています。さらに、95%が体育発表会や展覧会などの行事は、子供たちにとって有意義なものになっていると回答しています。練馬区は小規模校であれば、運動会など集団活動に支障が生じるとしていますが、保護者は小規模校であることを非常に肯定的に受け止めています。なぜ、このような状況で統廃合にする必要があるのでしょうか?
中学校
中学校では、豊渓中学校の光が丘第一中学校への統合が検討されることになりました。
石神井南、光が丘第二、中村、大泉中学校が候補となりましたが、最終選定で対象外となっています。
豊渓中学校について
練馬区は豊渓中学校について以下のように説明しています。
豊渓中学校は、現在(令和6年度時点)も将来推計(令和 26 年度)でも5学級で、
いずれも区内で最も学級数の少ない中学校です。築年数は 59 年で長寿命化改修がで
きない学校です。
練馬区は5年後の2029年度には統廃合をするとしています。わずか5年、あまりに早い対応です。
しかし、学校評価アンケートを見ると、「豊渓中に入学して(させて)良かった。」の問いに対して、生徒の79%、保護者の83%が肯定的な回答をしています。そもそも、中学校は選択制となっている中で、小規模校を選んで入学した生徒も多いと考えられる中で、学級数が少ないことをもって統廃合の対象にするのは問題です。
説明会の開催
対象となる学校では1月に以下の日程で説明会が開催されます。ぜひご参加ください。
岩瀬の訴え
練馬区は統廃合を考える上で区立小・中学校の児童・生徒数は昭和50年代のピーク時の約6割まで減少していると説明しています。しかし、昭和50年代のピーク時には教室が足りず、一クラス45名を超える状況も頻発、その頃を比較の基準とすること自体が間違っています。
しかし、児童生徒数が少なければ丁寧な教育ができるなどの魅力もメリットもあります。また、学級数についても、学校内での工夫で対応可能なものです。
国も小規模校だからといって統廃合するのではなく、地域との話し合いの中で決めるよう求めています。
個別の学校を統廃合するかどうかは、学校関係者や保護者、子供、地域住民の願いや思いを受け止め、理解と協力を得ながら、設置者である市区町村が主体的に判断することとなります。なお、小規模校として存続させる場合にあっては、学校が小規模であることのメリットを最大化するとともに、デメリットを最小化するような工夫を講じていくことが必要です。
区が出した方針について、ぜひみなさまもご意見をお寄せください。
過去の訴えはこちらからご覧ください。