2024年12月5日の都市整備委員会と文教児童青少年委員会において、「大泉第二中学校の教育環境保全と大泉学園駅南側地区まちづくりの取組方針(素案)」が報告されました。同方針案は、大泉第二中の敷地内を2本の道路が交差し、学校を4分割するもの。子どもの教育環境を大きく損ないます。
【方針策定の目的】
補助135・232 号線が大泉第二中学校の敷地内に計画されていることから、練馬区は2016年に専門的な見地から事業の方向性および方策について検討するため「練馬区立大泉第二中学校の教育環境保全および都市計画道路の整備に関する有識者委員会」を設置、2018年から5年間も休止した後、2023年に突如として再開し、提言を策定。この提言から今回の方針が策定されました。
【そもそもなぜこんな計画が?】
最初の道路、135号線の計画が立てられたのは昭和22年のこと、その後子どもが増えた中で、大泉には大泉中学校のみだったので、人口の急増によって学校の設置を検討、食糧増産が叫ばれていた中で、農地を避けて学校用地を作る必要があった。その中で当該地が対象に。また、昭和41年に232号線が計画されたことについては、そもそも戦前に細街路として計画されたものをそのまま引き直したもの。つまり、計画自体が80年以上前に出来たものです。なぜ令和の時代に当時の道路計画を実現する必要があるのでしょうか?
【道路の必要性は?】
練馬区は、地域の交通量を減らすためとしていますが、練馬区が交通量調査を実施したのは今から約10年前、令和元年にも実施しましたが、正確な数値は得られなかったとのこと。コロナ後の交通量はいまだに把握も出来ていません。その中でなぜ、道路が必要と言えるのでしょうか?少なくとも現在の交通量調査を行うべきです。
【学校はどうなる?】
新たな図面においても、135号線は学校を二つに分断し、232号線も通る中で、大きな交差点が学校の中に出来てしまいます。子ども達は敷地の分断だけでなく、騒音や排気ガス、事故などの危険性にもさらされます。
また、練馬区は現在の敷地が18,900㎡なのに対して、18,700㎡を確保したと説明しています。しかし、現在の運動場は9,500㎡なのに対して、新校舎では学校に併設するのはわずか7,300㎡、学校からかなり離れた場所に第二グラウンドとして4,600㎡が整備されることになります。運動場が二カ所に分かれてしまうことで、一体的な利用はできず、しかも第二グラウンドは形が不成形のため、非常に用途も限られる恐れもあります。いくら面積だけを確保したとしても、活動の種類や質には大きく制約されます。
【大泉南小にも影響が!】
今回の取組方針案で突如として、大泉南小も232号線の影響を受けることが明らかになりました。区は「都市計画道路の整備にあわせて、既に取得している用地等を活用し、校地の整形化を図ります。」としていますが、このような話は保護者や地域の住民にも全く知らされていませんでした。
【今後について】
練馬区は今後、7年から10年で整備工事を行うと計画していますが、あまりに乱暴だと思います。練馬区は1月16日に保護者説明会、1月17日と18日にオープンハウスを実施します。ぜひ皆さんもご意見を区にお伝えください。