練馬区の学童クラブ、2025年4月1日現在の在籍児童数は過去最高となる6,538名に。他方で希望しながら学童クラブに入れない「待機児童」数は練馬区の発表では過去最少となる51名に。2年前の299名から激減しています。しかし、その理由は学童クラブが増えたのではなく、定員を超えて多くの児童を受け入れているため。最も狭い学童では1人分の面積はわずか畳1畳分、区として学童クラブの増設を行うべきです。
はじめに
5月20日の文教児童青少年委員会では、2025年4月1日現在の区立学童クラブ在籍・待機児童数および待機児童対策について報告がありました。練馬区での学童クラブの待機児童数は2023年時点では299名と全国でワースト6位であり、早急な対応が求められていました。今年4月時点では51名、2年間で大幅に改善しているように見えます。
12【資料11】区立学童クラブ在籍・待機児童数および待機児童対策について –
(出典:練馬区)
狭い空間に多くの児童が
しかしその実態を見ると、ほとんどの学童で本来の定員を大きく上回る人数を受け入れており子ども達は非常に狭い空間に押し込められています。東京都は目標とすべき基準として将来的に一人当たり1.98平米以上を定めていますが、練馬区では3割近くの学童が下回っており、区内の最も狭い学童では1.65平米、畳1畳分のスペースしかありません。
(出典:東京都)
現在も最大で180人
支援の単位と呼ばれる人数についても東京都は新たな基準のなかで、上限40人としていますが、練馬区では45名であり、さらに一つの学校で最大で4単位、180名もの子どもを見ている実態もあります。また、いくら支援の単位として分かれていても、実態としては全ての子ども達が一緒に過ごしている中で、単位別の対応はできていません。
緊急対策のねりっこプラスが748名!
学童に入れない子どもに対するねりっこプラスと呼ばれる臨時的な対応が748名に達しています。ねりっこプラスでは保育である学童とは異なり、見守りであるひろばの終了後に一時的な保育を行うもので、おやつなども提供されません。事業者の方々にとっても夕方になって突然ひろばの子どもが加わることになるなど、負担も大きくなります。
かくれ待機児童も数十倍
そもそも、待機児童として示されるのは、あくまでも4月1日の段階で学童クラブに入れずその後、キャンセル待ちの手続きをしている子どもの数です。例えば落選してしまい諦めてしまった方、最初から入れないと考えて申込をしていない方などは含まれておらず、いわゆる隠れ待機児童は数十倍に達します。
練馬区ではあくまでも学校内学童クラブ(ねりっこクラブ)の設置を通じて待機児童解消を図るとしていますが、ねりっこクラブがある学校でも待機児童が発生したことからも限界が明らかです。区として学童クラブの増設にもっと予算をかけるべきです。ご意見などあればぜひお寄せください。
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