練馬区では、約700カ所にのぼる区立公園すべてで花火が禁止されています。他方、23区のうち少なくとも17区では条件付きで花火が許可され、5つの区はこの数年で新たに解禁しました。子どもたちにとって大切な体験である「夏の花火」を、一律に禁止するのではなく、子どもの意見を聞きながら、ルールある解禁に向けて区の姿勢を見直すべきではないでしょうか。

練馬区では「全公園で花火禁止」


「練馬区内で花火ができる公園はありますか?」
――この問いは、毎年夏になると多くの保護者から届きます。

しかし実際には、練馬区には23区で最多となる697カ所の区立公園・児童遊園があるにもかかわらず、そのすべてで花火は禁止されています。

(出典:練馬区ウェブサイト

唯一、区内では都立の「光が丘公園」と「大泉中央公園」のみが例外です。

どちらも事前予約制ですので利用の方法はリンクをご覧ください。

光が丘公園での花火の利用について_2025

大泉中央公園での花火の申し込みについて

他方、読売新聞の調査(2024年)によれば、23区のうち少なくとも17区が区立公園での花火を条件付きで許可しており、都内49区市のうち26自治体が試行も含めて花火を認めています。しかもそのうち5つの区はここ数年で新たに「解禁」に踏み切ったのです。

17区では、ルールと住民の声を重視


  • 杉並区では、これまで申請が必要だった花火が、5人程度まで申請不要となりました。
  • 荒川区では「親子花火広場」として、8月中に5つの公園で試行的に花火が可能になりました。
  • 千代田区は区民の声を受けて、公園の改修と同時に花火の解禁を決断しました。

いずれの区も、安全やマナーへの配慮を前提としつつ、地域の人々、特に子どもや保護者の声を尊重しながら、利用ルールを柔軟に見直しています。

一方、練馬区は「禁止ありき」


練馬区は、区内の公園が「規模が小さく周辺に住宅が建ち並んでいるものが多いため、他の利用者や近隣の方々に迷惑になる」(練馬区 令和6年 第1回定例会 02月13日)として、すべての区立公園での花火を一律に禁止しています。

しかし、手持ち花火のように管理しやすい行為まで「迷惑」として排除するのは過剰規制ではないでしょうか。

区内では、ボール遊びが可能な公園も8カ所しかないという事実もあります。23区一の公園数を誇りながら、「遊び」の自由が極端に制限されているのです。

ボール遊びが出来る公園

(出典:練馬区)

さらに、練馬区は現在も「子どもの権利条例」を制定していない数少ない区の一つです。これは、子ども自身が声を上げ、地域のルールに関わっていく権利―すなわち「意見表明権」の保障が不十分であることを意味します。

「禁止する前に、子どもの声を聴いて」


子どもには、遊ぶ権利があります。そして、自分たちの暮らす地域で、自分たちの思いを伝える権利(意見表明権)があります。これは、国連子どもの権利条約でも認められた重要な権利です。

子どもたちにとって、夏の夜に親子や友達と楽しむ花火は、大切な思い出の一つ。
その体験を、大人が「一律禁止」で奪ってしまっていいのでしょうか?

もちろん、安全性や騒音への配慮は不可欠です。しかし、時間帯・場所・人数・ごみの持ち帰りといったルールを設けることで、安心して花火を楽しむことは十分可能です。

今こそ、練馬区の公園に「子どもの声」を


今、必要なのは「禁止」ではなく、子ども達も共に利用するためのルールをつくること。
そして、そのプロセスにこそ、子どもたち自身の声を反映させることです。

「子どもの声に耳を傾け、共にルールをつくっていく」ために、練馬区へ今後も改善を求めます。

これまでの訴えはこちらをご覧ください。