区内に3か所存在する練馬区立幼稚園、障害児の比率が急増しており令和6年は在園児の5割近くが障害児に。他方で私立幼稚園の障害児は2.6%、大きな差が発生しています。その一方で、区は区立幼稚園を現在の3園を2園に集約する方向で検討することに。子どもの数が減少する中で、区立幼稚園のあり方が問われています。
6月23日に「令和7年度第1回 練馬区立幼稚園検討委員会」が開催されました。本委員会は今後の園児数の減少を踏まえた適正規模、障害児保育や3年保育など、将来を見据えた区立幼稚園の方向性やあり方について、具体的な検討を進めることを目的にしています。当日の資料はこちらからご確認ください。
1. 幼稚園への通園者は20年で4割減少
1975年に区内初の区立幼稚園が北大泉に開園しその後、光が丘を中心に5園が誕生しています。2014年に2園が閉園し、現在は北大泉幼稚園、光が丘むらさき幼稚園、光が丘さくら幼稚園の3園が運営されています。
練馬区で幼稚園への通園者数は区立・私立ともに近年急激に減少しており、令和3年に幼保で逆転し、令和6年時点では私立幼稚園では6300名、20年前よりも40%以上減少しています。他方で保育園に通う家庭は倍近くに増加しています。さらに9月からは3歳児未満の全ての子どもについても保育料を無償化することを東京都は決定しており、幼稚園に通う園児の更なる減少も予想されます。
2. 障害児の受け入れ状況
練馬区立幼稚園でも園児数は減少傾向にありますが、障害児率は急増しており、2005年の3.2%から2024年には46.9%、ほぼ二人に一人が障害児となっています。私立園でもわずかながら増加傾向にはありますが、2024年には2.6%であり、障害児のほとんどが区立園に通う状況となっています。
3. 区立幼稚園への保護者の要望
保護者が区立幼稚園に希望することで最も多いのが、3年保育の実施で66%に達しています。現在は2年のみですが、あまりにも短すぎるというものです。また、預かり保育の実施や給食の提供に対する要望も高くなっています。
4. 今後の展開
こうした状況の中で、今後の方針として3園を2園に減らすこと、3年保育の実施、長期休業中の預かり保育の実施、給食の提供、相談体制の充実などが今後の運営方法として検討されることになります。
3年保育を導入することは長年求めてきた事であり歓迎しますが、区立園を閉園してしまうことの影響を十分に検討すること、私立園が障害児を受け入れられる環境を作れるよう行政として支援すること、私立園との連携などが大きな課題だと考えます。ぜひご意見などお寄せください。当日の資料はこちらをご覧ください。これまでの訴えはこちらをご覧ください。