障害のある子どもが通う練馬区の特別支援学級について、小中学校の教室が全く足りておらず渡り廊下や調理室などを教室の代わりに使っていることが明らかになりました。なぜ障害のある子どもだけ適切な環境で教育を受けることができないのか、迅速な対応を求めました。
練馬区の子どもの数は減っている一方、特別支援学級の子どもは、5年で1.4倍に!
6月19日の文教児童青少年委員会において、「令和7年度 区立幼稚園・小中学校の園児・児童・生徒数および学級数等について」報告がありました。(当日の資料は下記のリンクをご覧ください。)
23【資料17】令和7年度区立幼稚園・小中学校の園児・児童・生徒数および学級数等について
令和7年5月1日現在、区内の公立小学校に通う子どもの数は33,426名(前年比117名減)、公立中学校では13,226名(同2名増)の合計46,652名です。
その内、特別支援学級(知的支援学級固定級)に通う子どもは小学校で517名(前年比40名増)、中学校では270名(同21名増)の合計で787名でした。
公立の小中学校に通う子どもの数は減少する一方で、特別支援学級(固定級)に通う子どもはわずか1年で8%増、5年間では約1.4倍に増加しています。
教室が足りずに調理室で授業を受けるケースも!
練馬区には現在、小学校では16校、中学校では8校に特別支援学級(知的障害固定級)が設置されていますが、子どもの数が急激に増加する中で全く足りていない状況です。
こうした中で、教室が足らず、一つの教室をカーテンで仕切るなどの「一時的な対応」で急場をしのいでいる学校も多くあります。さらに、それでも対応できずに調理室や渡り廊下、PTA室を教室に利用している学校もあります。学級の適切な環境などを定めた「学校施設整備指針」(2022年度改正)は、既存の学校には「努力義務」であることから教室不足と過密化に歯止めがかかっていません。
こうした中で、保護者の方から以下のような訴えもいただいています。
「通常級の子どもに教室が足りないからといって調理室で授業を受けさせることはないはず。なぜ障害がある子どもだけ、こんな環境で我慢しなくてはいけないのですか?」
今後の予定について
練馬区は令和6年度に策定した練馬区特別支援教育実施方針(本文は下記リンクご参照)の中で、小学校は令和9年度、中学校は令和10年度に知的障害学級を増設するとしています。しかし、現在の状況を踏まえるとあまりにも不十分です。
(出典:練馬区特別支援教育実施方針)
障害の有無に関わらず、全ての子どもが適切な環境で教育を受けられる権利を保障することは行政の責任です。全ての子ども達が同じ教室で授業を受けられる環境を作ることが理想ですが、現在の状況を改善するためにまずは一刻も早く特別支援学級を増設するよう引き続き求めていきます。もしご意見やお困りごとなどありましたらいつでもご連絡ください。過去の訴えはこちらをご覧ください。