2025年の参議院選挙における練馬区の投票率は62.49%と、3年前より6ポイント以上高く、全国推計投票率の57.01%を大きく上回りました。多くの区民が政治に高い関心を寄せる中、練馬区独自の政治的傾向や有権者の動向が浮き彫りになっています。本記事では、東京都選挙区および比例代表の結果を踏まえ、練馬区の政治意識の特徴と今後の課題を分析します。

■ 練馬区の東京都選挙区結果:鈴木・さや両氏が接戦、自民は全国平均下回る


練馬区における参院選の東京都選挙区結果では、自民党の鈴木大地氏と参政党のさや氏が約500票差でほぼ拮抗し、共に約10%の得票率を獲得しました。ただし、自民党は鈴木氏と武見氏の合計で約15%となり、東京都全体と比べると低めの数値です。一方で、国民民主党は牛田氏と奥村氏の合計で約19%と、東京都全体と比べて安定した支持を確保しています。立憲民主党では、練馬区内ではおくむらまさよし候補が塩村あやか候補より多くの支持を集めましたが、東京都全体の得票数では塩村候補が上回ったため、塩村あやか候補が当選となりました。

(筆者作成)

■ 練馬区の比例代表結果:自民は減、国民民主・参政党が大幅に得票増


参議院選挙における練馬区の比例代表結果を分析すると、最も得票数が多かったのは自民党の65,766票ですが、前回に比べ35%(-3万6千票)の大幅な減少となりました。一方で、2位の国民民主党は約2.6倍に増加し、4位の参政党は約3.9倍もの大幅な伸びを示しています。3位の立憲民主党はほぼ前回と同じ得票数を維持したものの、5位の公明党は約12%(-4千票)の減少、6位の共産党は約25%(-7千票)の大幅な減少となりました。

また、前回は自民党に次ぐ第2位であった日本維新の会は、今回55%(-2万6千票)もの得票率の激減を記録しています。

(出典:筆者作成)

■ 練馬区の比例票を全国と比較:独自の政治意識が際立つ傾向に


参院選の比例代表の練馬区の党派別得票を全国(NHK 開票率99%時点、7月21日)と比較すると、練馬区では自民党の得票率が全国平均より4ポイント以上低く、国民民主党は3ポイント以上高い結果となりました。立憲民主党(+0.11%)や共産党(+1.44%)、地域政党のチームみらい(+3.26%)も全国平均を上回っています。

一方で、日本維新の会(-1.89%)、れいわ新選組(-1.21%)、参政党(-0.95%)などは全国と比べてやや得票率が低く、練馬区では一定の違いが見られました。

こうした傾向からは、練馬区では必ずしも全国の流れとは一致しない自民党や維新、賛成党よりも共産党やチームみらいが選ばれる独自の政治意識や関心がうかがえます。

(出典:筆者作成)

■ 練馬区から目指す「誰もがここにいていい」社会


今回の選挙結果から、多くの方が今の政治を変えたいという強い想いを抱いていることを実感しました。そのうえで、対話と共感を基盤にした政治の重要性がますます高まっていると感じています。私は練馬区議として、排除ではなく包摂を掲げ、地域の誰もが声を上げやすく、共に支え合える社会の実現を訴え続けてまいります。これまでの訴えはこちらをご覧ください。