岩瀬たけし事務所では、毎年夏に戦争体験者のお話を伺う平和企画を続け、今年で9回目を迎えます。これまで語ってくださった方の中には、すでに鬼籍に入られた方もいます。その中でも忘れられないのは、終戦間際、大泉から18歳で出征した元少年兵の方の証言です。
赤紙が届いた瞬間、「もう二度と帰れない」と覚悟したこと。それでも皆の前では喜ばなければいけないので泣きながら万歳をしたこと。隣の村では徴兵を恐れて自ら命を絶った若者がいたこと。本土防衛のために従事した砲台の建設では、日露戦争時代の大砲しかなく、「勝てるはずがない」と悟ったこと。
中国へ送られた後も、最も恐ろしかったのは現地での戦闘ではなく、軍の上官からのいじめだったといいます。終戦後、命からがら帰国しても、「なぜ生きて帰ってきたのか」と地域から冷たい視線を浴びたとのことでした。
90歳を迎える頃、若い世代に伝えたいと勇気を振り絞って話してくださったその方も、数年前に亡くなりました。
私は、歴史修正主義に屈せず、加害の歴史も直視することが、戦争を繰り返さないために不可欠だと考えています。今年8月30日の平和企画では、高校の歴史教員による「現在の歴史教育」のお話と、ミャンマー難民の方による「今も続く戦争」の証言を伺います。地域から平和について考える一日。ぜひご参加ください。