10月7日の文教児童青少年委員会、上石神井小学校と上石神井中学校の改築(建て替え)についての報告がありました。新たな計画では、それぞれの小中学校の運動場を使えない期間についてずらすために工期を2年近く伸ばすとのこと。計画では隣接する小中学校を一体化する予定ですが、小学校の運動場、一人あたりの面積は区内最小に。中学校の運動場も大きく削減されます。子どもや教員への負担も予想される中でなぜ同じ建物にする必要があるのでしょうか?
1. なぜ上石神井小学校と上石神井中学校の施設を一体化するのか?
区の説明では、
上石神井中学校に関しては、敷地が道路に囲まれているので、改築することで敷地面積が狭くなってしまう。小学校については、南北に長い敷地で、かついびつな形になっている。別々に改築すると、校舎体育館やグランドを確保するのが困難。
とのことです。
しかし、後述するように現在の案でも敷地の活用は大きく制約されています。別々に建設する方が工期も短縮され、過ごしやすい環境にもなり得ると思います。
委員会での報告資料
2. 運動場の面積は小学校で4割減、中学校でも大きく減少
上石神井小学校の現在の運動場面積は5,331㎡、一人当たり面積は7.1㎡、区内で3番目に狭い状況です。上石神井中学校も現在は6,615㎡、一人あたりは15.7㎡で、区内の中学校の平均26㎡と比べると狭いものです。(出典:令和7年度版 練馬区教育要覧 107ぺージ参照)
今回、一体化することで小学校の運動場の面積は3,100㎡とさらに4割減、中学校でも5,500㎡と1千㎡以上の削減となります。特に上石神井小学校については、単純に計算すると一人当たりの面積は4.1㎡(児童数753名、2025年5月時点)と区内で最も狭くなってしまいます。区は中学校の運動場も併用するとしていますが、本当に可能なのでしょうか?
3. 子どもの数は1200人越え、区内最大のマンモス校に
現時点での上石神井小学校の児童数は753名で24学級(2025年5月時点 出典 練馬区教育要覧)、もう一つの上石神井中学校は421名で12学級で同じ施設に移ると合計で36学級、1200人の区内最大の学校となります。そもそも、練馬区は小中一貫教育校であっても、適正規模は最大で27学級としています。今回、練馬区は小中一貫教育校ではないので問題ないとしていますが、実態としては同じ施設で勉強することになりますので、区の説明は適切ではないと思います。
4. 工事期間が2年延長、約7年に
今回、練馬区は小中学校の運動場が同時に使えなくなることを避けるために工期を変更したとのこと。他方で、工事期間は当初の予定よりも2年近く伸びて、合計で約7年に達します。小学校1年生で入学したら、中学校1年生まで工事が続く、子どもにとっての影響も大きいものです。
そもそも、小学校と中学校は教育課程も含めて大きく異なります。今回、小学校と中学校で3階では同フロアになりますが、時間割が異なる中でチャイムをどうするのか、子ども達が小学校や中学校に行ってしまった場合、誰が監督責任を負うのかなど教員の負担も大きくなります。
またそれぞれの校舎に移動するのを避けるために小学校と中学校の間に壁やドアを付けることなども検討するとのことですが、運用上の課題も大きいと思います。
区は今後、地域での説明なども行うとのことです。今後の運用などについてご意見やご不明な点などありましたらご連絡ください。これまでの訴えはこちらをご覧ください。