石神井小学校の増築について、補正予算として今年度分の基本設計に係わる費用として2,010万円、また令和7年度~8年度分の債務負担行為として4,690万円、合計で6,700万円が計上され、9月19日の本会議で議決されました。

しかし、石神井小は2020年に建てられたばかり、なぜ増築する必要があるのでしょうか?また、現在も石神井小の運動場の面積は区内の小学校で2番目に狭いのですが、更に狭くなってしまいます。

1.増築の理由は?

現在、現在特別学級を含めて26学級が存在するものの、5年以内に30学級に達すると想定されるとのこと。教室が不足することから、校庭の遊具がある場所に新たに普通教室とねりっこのための施設の増築を予定するとのことです。

2.2020年に建てられたばかり、なぜ最初から想定していなかったのか?

石神井小学校は2020年の11月に竣工したばかりです。なぜ増築が必要か、練馬区の説明は1.区の想定以上に子どもの数が増えた、2.国の決定で35人学級が突如導入された、とのことですが、予想できなかったのでしょうか?

練馬区の説明では以下の経過だったとのこと。

  • 2016年6月:建て替えに向けた基本設計を開始、当時は18学級を想定。
  • 2016年11月:近隣の都営住宅(850戸)の建替えの情報が入った中で、370戸が売り出されると想定し、24学級に変更
  • 2020年11月:竣工
  • 2021年3月:35人学級が決定
  • 2022年4月:実際に543戸が売り出されたと把握
  • 2024年9月:補正予算として増築の予算を計上

練馬区が早く売り出される戸数を把握することができていれば、4階建てにするなど対応することも可能だったはず。練馬区は「老朽化に伴うマンション建て替えによる住民増は初めてに近いケースだったので、どれだけ戻るか想定が困難だった」としたうえで、今後は学区ごとにシミュレーションを行うなど工夫する、とのことですが、あまりにも対応が後手に回ったと思います。

3.運動場への影響は? 区内の小学校でも最も小さな運動場に?

現在、増築が予定されているのは校舎の東側の遊具がある地域としています。しかし、現在でも石神井小学校の運動場の一人あたりの面積も5.1㎡であり、区内の小学校の平均14㎡を大きく下回っており、区内でワースト2位です。今回の増築と児童の増加によってさらに狭くなるのは確実であり、区内で最も小さい運動場となる恐れも。また、遊具は現在の畑がある地域に移す可能性もあるとのことですが、大きな影響が出ることが予想されます。

そうした中で、運動場を確保するために、体育館やプールを改築することについては、まだ築24年程度と新しいので改築は困難と説明しています。

鉄筋2階建てを想定、1階はひろば室、2階に教室の設置などを考えているとのこと。今後、児童数が減少するようであれば、撤去することも検討するとのことですが、それこそ税金の無駄にもなります。

4.今後のスケジュールは?

11月ごろに基本設計の事業者が決定、その後、2025年~2026年にかけて基本設計を実施、2026年度から2027年度に実施設計、2028年から建設を開始、2029年度に開設とのことです。

5.保護者や住民との建築に向けた懇談会などの実施は?

通常、学校を改築の場合は、PTA、町会関係者、教職員を交えた建築懇談会を基本設計とあわせて4回程度実施、具体的なあり方など協議しながら決定しています。ただし、石神井小学校については、増築なのでどのような形で開催するかも含めて検討中とのこと。いまだに多くの保護者が増築が行われることも知らない中で、一刻も早い保護者への周知とともに、保護者の意見を聞く会を設けるべきです。