年に一度の一般質問では、学校でのオーガニック給食の導入についても訴えました。
練馬区は23区で最も農地が多い自治体ですが、有機農産物の給食への導入率は23区平均の半分以下です。子ども達の健康のためにもオーガニック給食の導入とあわせて、給食予算の増額を求めました。

訴えの動画はこちらからご覧になれます。

食料・農業・農村基本法が改正され、学校給食への有機農産物の活用が求められています。

こうした中、東京都教育員会が作成した「令和5年度 東京都における学校給食の実態」によると、23区の小学校では全体の6.8%、中学校では5.9%が有機農産物を使用しています。他方、練馬区で使用しているのは大泉東小のみで小学校は全体の1.5%、中学校では0%と23区の平均に比べて著しく低い状況です。

練馬区は「有機農産物は栽培に労力やコストを要することから、学校給食の需要に対応することは困難」としています。しかし、練馬区より子どもの多い世田谷区でも2023年度から区立小中学校計90校、約5万人の児童生徒に対し、地元JAと協力し、年に6回農薬や化学肥料を使わないで育てられた有機米を提供しています。

1)オーガニック給食の推進を

練馬区においても、他区の事例などを参考に毎年少しずつ有機農産物や特別栽培農産物の使用を増やすべきです。区の見解を求めます。

【練馬区の回答】

有機栽培物は栽培に労力やコストを要することなどから、耕地面積も令和4年度時点で全国の耕作地の0.07%のみで、学校給食の需要に恒常的に対応することは困難です。当面は区内生産物の使用の拡充をすすめます。国の動向を注視しながら、有機栽培物の活用の可能性を研究してまいります。

2)給食費の予算増額を

また、オーガニック給食の実現に向けて給食費の拡充も不可欠です。給食の無償化が23区で実現したなか、区による財政力や給食の考え方による格差も広がっています。

東京都学校給食会が作成した「とうきょうとの学校給食」によると、練馬区の小学校では高学年で1食あたりの単価が321円なのに対して、渋谷区では20%以上高い386円、練馬区の一食あたりの単価は23区の中で14位です。中学校でも一食当たり376円、最も高い渋谷区の455円に比べて80円近く低い状況です。

11月の消費者物価指数でも東京都区部ではコメ類は前年同月に比べて62.8%増加、野菜もキャベツやトマトなどを中心に高騰が続いています。11月29日に開会した臨時国会、総理の所信表明演説においても、学校給食費への支援が明示されています。練馬区として、子どもが健全に成長する権利を保障するためにも、給食に対する考え方を見直すとともに、一食あたりの単価をあげるべきです。区の回答を求めます。

【練馬区の回答】

近年の物価上昇を踏まえ、当初予算において既に学校給食の予算を増額しており、今般の米の価格急騰についても、価格上昇相当分の米を一括して調達し、各学校に配布することにしています。

【岩瀬の思い】

オーガニック給食について、練馬区は恒久的な需要を満たすことはできないとしていますが、他区の取組を参考に、まずは少しずつでも開始すべきだと思います。また、給食費についても、今年度の予算を増額したとのことですが、それを上回る速度での物価高騰が続く中で、練馬区として更なる対応が必要だと思います。区としての対応を今後も訴えていきます。

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