強行採決に向けて
私は法学部で樋口陽一先生の指導のもと、憲法を専攻した。 憲法は国民を守るために、そして、間違いを犯しやすい権力を縛るためにこそある、そう学んできた。そして世界の様々な国を見てきて、どんなに立憲主義というのが重要かを肌で感じてきた。 本日、安保関連法案が参議院で強行採決されようとしている。 しかし、集団的自衛権を認めようとする本法案、憲法に明確に違反している。憲法学者の90%以上、元裁判官たちが80人近く、そして日弁連は全会一致で違憲と宣言している。合憲派がその論拠とする砂川事件の判決も、当時の最高裁判事の記録からも完全に否定されている。 賛成派は、国民の平和と安全を守るためにこの法案がどうしても必要だという。近隣諸国のリスクから守るためにはアメリカとの関係強化が唯一の手段だと。 しかし、それは憲法を破ってもいいという理由にはならない。そもそも、世界の紛争地や治安の悪い国々で働いてきた者の実感として、アメリカとの関係強化によって、日本の平和が守れるとは全く信じない。むしろ逆効果、リスクは高まるだろう。海外の経験から、日本の平和は憲法9条と国連中心主義によって守られてきたのだと実感している。 しかし、百歩譲って、どうしても必要だというのであれば、憲法に則って、憲法改正のための国民投票を行うべきである。日本には法治国家であってほしいし、民主主義の国であってほしい。 今日は、日本の基盤である立憲主義が、その根底から崩される、そんな一日になるかもしれない。10年後、50年後、100年後も語り継がれる、そんな歴史的な転換点となるかもしれない。 だからこそ、皆さんと最後まで声を挙げる。今朝も駅で、そして議会の終了後、国会前で!!