ワクチンを求めて…人の美しさと政治の醜さ
1月以上にわたって、HIV陽性者の方からワクチン接種の予約ができないとご相談を頂いていました。海外の研究では陽性者の方は感染した際の重症化リスクが非常に高いとのこと。しかも、その方は建築現場で肉体労働をされていて、あまりの暑さにマスクをすることもできず感染リスクも大きいとのことでした。 しかし、区に何度相談しても対応はできないとのこと。私たちもワクチンの接種会場のネット予約など試みたものの全く取れず。非常に困っていたところ、知り合いから接種の日程が合わずキャンセルすることになったので、権利をお譲りしたいとご連絡が。 早速お伝えしたところ、その方からは「私は後でいいので、ほかに困っている陽性者の方に譲ってください」との答えが。ご自身のリスクをわかりつつも、他の方に譲ろうとされるその方の優しさに胸が熱くなりました。その後、HIV陽性者の方を支援する団体にも連絡を取り、彼以上にリスクの高い方はいない、ということが分かって、本日、予約することができました。 本当に苦しいとき、辛い時にこそ人の本質が出ると思います。今回、改めて人の美しさに触れ、心が揺さぶられるとともに、なぜそんな思いをしなくてはいけないのか、強い憤りを感じます。昨日の山岸さんの集会で、反貧困ネットワークの瀬戸さんが、「政治と福祉が人を殺している」と仰っていましたが、本当にその通りだと思います。せめて私にできることをするために、地域で全力を尽くします。