昨日の文教児童青少年委員会、報告の一つが大泉第二中学校を分断する道路の建設計画についてでした。

昨年12月、東京都が10年ごとに見直す「都市計画道路の整備方針(案)」が発表されました。これにより、大泉第二中学校の校庭を十文字に貫く補助232号線、135号線が、今後10年以内に工事を開始する「優先整備路線」に新たに選ばれました。

道路が中学校の校庭を分断することについて、練馬区は平成25年、135号線によって校庭を東西に、縦の分断を想定した素案を公表しました。この素案では、道路の上に蓋をかぶせるようにして、人口地盤や渡り廊下をつくることになっていました。

しかし、今回の計画ではさらに232号線によって南北へも分断されることになります。道路が学校を東西南北、十字に分割する計画が現実味を帯びる中、練馬区では、新たにこの問題を検討する有識者委員会を設置することになりました。

道路に関する問題は「環境・まちづくり委員会」が主として担当しますが、文教児童青少年委員会では、参考資料として、有識者委員会を設置するということ、そしてそのための住民説明会を開催するということが報告されました。

本委員会では、道路建設よりも子どもたちの教育環境を守ることが大切である、という視点で、共産党、市民の声、そしてオンブズマン練馬が質問や意見表明を行いました。それに対する区による主な説明は以下の通りです。

「<有識者委員会の構成、内容について>
大学の教授、特に都市計画、教育、建築の専門家を中心に現在メンバーを選考している。委員会の構成は合計で7-8名を想定している。分野ごとの人数配分は未定である。

<今後のあり方>
有識者委員会からの助言を受けた「取り組み方針」を策定する予定だが、その時期は未定である。「取り組み方針」に基づいて住民の方と意見交換を行う。

<説明会の内容について>
有識者委員会設置に関わる説明会は2月12日、13日に勤労福祉会館で行う。同説明会には、土木部を中心に教育委員会や関係機関も参加する。

<教育委員会の考え>
前提として、道路は必要だと認識する。しかし、同時に子どもたちの教育環境にも十分に配慮する必要がある。だからこそ、道路と教育環境の確保を両立することを検討する有識者委員会からの助言に期待している。」

そもそも、大型道路が校庭を4分割する計画において、子どもたちの教育環境を守るということ自体が不可能だと思います。

大泉第二中学校は練馬区で最も歴史のある中学校の一つで、創立してから約60年が経っています。中学校の特色として大きなグラウンド、そこを活用した部活動があります。学校選択制度がとられる中、こうした特色を希望して大泉第二中を選ぶ児童もいます。各学校の特色、個性を伸ばすことの重要性を練馬区が訴え続けてきた中、校庭を4分割してしまう大型道路を建設するということは、これまでの主張そのものを否定するものです。だからこそ、道路建設は全面的な見直しを行うべきであり、そのために今後も住民の方とともに議会の中でしっかりと活動を続けていきたいと思います。
*写真は平成25年に練馬区が作成した素案の一部です。こちらは135号線のみを想定しています。今回の計画では、さらに補助232号線が東西に通ることになります。

出典:http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/kokyokotsu/kunai_doro/ooizumi_hojyo135/index.files/michimachi6.pdf