先日の委員会では、昨年(2015年)の4月に実施された全国生活・学習状況調査の分析結果が報告されました。この調査は毎年、練馬区のすべての小学6年生と中学3年生を対象に実施しています。
まず、学校以外の学習時間(塾を含む)について、中学3年生については、毎日3時間以上勉強する生徒は全体の6人に一人(14.4%)、1時間以上勉強する生徒が73%となっています。小学6年生では毎日3時間以上勉強する子どもがもっと多く、全体の4人に一人(23.5%)であり、1時間以上勉強する子どもが全体の65%に達しています。
私自身の小6の時を振り返っても、住んでいたカナダ等含め海外と比べても、小学生はテストでもない限り家に帰ったら30分~1時間くらい宿題をやって遊びに行くというイメージがあり、日本の小学生はこれほど勉強しているのかと改めて驚きました。調べてみたら、日本はOECDの国の中でも比較的年間の授業時間数も多い上に、学校の外での小中学生の勉強時間が突出して(韓国等と並んで)高く、確かにそれは成績の良さにつながっている面もある反面、フィンランドなど授業数も多くはなく学外での勉強時間が極めて少ない国の子どもが学力もOECDの中でも高いというケースもあり、授業の質も含めて考えさせられます。
続いて、携帯やスマホでの通話、メール、ネットの時間について。6年生では一日1時間以上なのが6人に一人(15%)、さらに4時間以上という児童も3%いました。中学3年生になると1時間以上が半分(50%)そして、4時間以上も10%に達していました。
さらに、子どもたちの夢や目標を図る指標として「将来の夢や希望を持っている」という問いに対して、否定的な答え(どちらかといえばあてはまらない、あてはまらない)と答えたのが小学生では6人に一人(14.3%)、中学生では3人に一人(30.2%)ということでした。同様に、「自分にはよいところがあると思う」という質問に対して、「どちらかといえばそう思わない」、「当てはまらない」と答えたのが小学生では約5人に一人(22.8%)、中学生では3人に一人(34.21%)に達していたことにも驚きました。
今回の調査結果を見て、改めて子どもたちの生活、学習環境が数十年前と大きく変わっているということを実感しました。その中で、特に危機感を持ったのが、「将来に夢や希望がない」また、「自分にいいところがない」、と思っている生徒が中学三年生ではそれぞれ30%以上に達しているということでした。
子どもたちの自尊心を育み、彼らが夢や目標を持てる社会を作るのは大人の責任だと感じます。だからこそ、学校教育においても、学力だけを高めようとするのではなく、一人ひとりが達成感や自己肯定感を感じられるようなカリキュラムのために工夫をしていく必要があると思います。