委員会視察の2日目、宇部市でのゴミ軽量化・リサイクルの取組について視察を行いました。同市の取組で印象的だったのが、生ごみを削減するための段ボールコンポストの活用と、食品ロス(フードロス)を削減するための普及活動「やまぐち食べきっちょる運動」でした。

まず、段ボールコンポストについて、こちらは可燃ごみの削減を推進するため、環境負荷が少なく、安価で家庭でも取り組みやすいメリットがあるということで、平成23年から導入促進のための支援や普及活動を行っています。この段ボールコンポスト、厚めの段ボールにピートモス、もみ殻くん炭などをいれ、そこに生ごみを入れてかき混ぜることでたい肥にする仕組みとのこと。

費用の一部を市が助成しており、価格は500円から1000円程度。一つのコンポストで約4か月使用でき、昨年度の販売実績は533個とのことでした。

続いて「やまぐち食べきっちょる運動」、こちらは山口県全体の取組で、食品ロスを減少させるための取組を行っているホテル、レストラン等を協力店として認定し周知するものです。宇部市ではこれまでに32店舗を認定したとのことです。

どちらも練馬区で行われておらず、興味深い試みでしたが、一方で課題も感じました。
段ボールコンポストについて、市の説明でもありましたが、なかなか普及が進んでおらず、昨年度の販売量は前年を大きく下回っています。これは、コンポストで虫が湧いてしまうといったことや段ボールが傷んでしまうという問題の他、市民の方への周知が進んでいないことが大きな原因とのことでした。たべきっちょる運動についても、市民への周知が十分ではなく、協力店舗もまだまだ限定的とのことでした。ほかにも、エコショップ協力店認定制度などもありますが、こちらも平成19年以降、認定件数はゼロが続いています。

全体的な印象として、行政として様々な意欲的な取組を行っているものの、市民や事業者への理解、周知が十分に進んでいないと感じました。

練馬区でも食品ロスは大きな課題であり、これらの制度の導入もぜひ検討すべきだと思いますが、導入に際しては行政が主導するのではなく、住民の方々が積極的に参加でき、それを行政がサポートするような方法を考えることが必要だと改めて感じました。

今回の視察、二日間で水素利活用とごみ減量化・リサイクルの取組について山口県の二市で学びましたが、どちらも練馬とは異なった取組、考え方も多く勉強になりました。視察で学んだ内容を練馬でも活かせるよう、しっかりと取り組んでいきたいと思います。