先日、議会の会派の「インクルーシブな練馬をめざす会」の高口ようこさんにお誘いいただき、加藤木さくらこさんと一緒に、群馬県の太田市美術館図書館を視察しました。

練馬区で美術館の再整備が議会での大きな争点となっている中で、同じように美術館と図書館が併設している他自治体の事例を学ぶのが今回の目的。https://iwasetakeshi.net/2022/02/museum/

練馬区は既存の美術館、図書館、そしてサンライフ練馬を建て替えて新たな美術館・図書館を建設するとしています。しかし、まだ36年しか経っていない美術館をなぜ今建て替える必要があるのか、また、70億円以上といわれるものの、実際にいくらかかるか示されていないこと、区民の声が反映されていないことなど問題が山積しています。

まず住民の参加について、太田市では、そもそも中心市街の賑わい創出のために、何を作ったらいいか、ということを市民アンケートで募集しその中から美術館・図書館を作ることを決めたとのこと、その経緯から異なっています。また美術館・図書館の建設が決まった後も、設計の段階で30人の公募市民が参加した市民ワークショップを5回実施し、そのあり方を一緒に検討したとのこと。

費用についても、最初の基本設計の段階で太田市として14億円の概算を示し、最終的には17億円となったとのこと。練馬区では基本設計の段階でも金額を示すか未定とのことですが、例えば家を建てる時にも最初にいくらかけるか、予算も決めないで発注するということはありえません。また、70億円以上といわれていますが、太田市と規模は違うにしてもあまりにも高すぎると思います。
太田市美術館・図書館は特に市民との連携を重視していて、市民のサポートスタッフが携わるほか、市内の商店や事務所、個人宅を巻き込んで、まちじゅう図書館を実施。市民と共に運営する、という姿勢が印象的でした。

練馬区に必要なのは、区が説明するような「本物のアートを提供する」美術館ではなく、市民が中心となって、どんな方でも集まりやすくなる場所、コミュニティの核となるような場所を作ることだと考えます。美術館のあり方を見直すとともに、70億円以上もかけて建て直しをするよりも、まずは全ての学校の体育館にエアコンを設置することや生活に困窮されている方々への支援を行うこと、区として優先するよう、引き続き訴えます。