9月14日の文教児童青少年委員会、9月10日に三原台中学校の校長が児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕された件について報告がありました。(事件の詳細はこちらをご覧ください。)
学校での性犯罪はジャニーズ事務所での例を持ち出すまでもなく、圧倒的な上下関係の中で行われる最も卑劣な犯罪の一つであり強い憤りを感じます。練馬区ではこの3年間で3名の教職員が学校内での性犯罪で逮捕されています。今回の件について、区の対応を確認するとともに被害者の救済と再発防止策の徹底を求めました。

【事件の経過について】
被害者は最初の相談を11月にしています。しかし、その後も今年9月に逮捕されるまで校長として学校に留まり、子ども達に接していました。更なる被害を防止するために練馬区は4月の定期異動にあわせて校長を異動させることも可能だったはずです。区は罪が確定していなかったので難しかったとのこと。4月以降の校長の行動を監視していたとのことですが、被害の拡大を防ぐことを第一に、子どもと直接には接しない部署へ異動をさせることもできたのではないでしょうか。

【被害者救済について】
今回の件では、複数の女性が押収されたビデオに録画されていたとの報道もされています。
教育委員会では全校の生徒への説明会や保護者会を開いて説明するとともに、東京都の相談窓口などをウェブサイトなどで周知。また、子どもの心のケアのためにスクールカウンセラーなどを派遣しているとのこと。区の取組も大切ですが、被害者の特定、救済には独自に本件に関する専門の相談窓口をすべきだと思います。また、練馬区では本年6月に性被害に対するアンケートを行ったとのことですが、今回の事件を受けて改めて当該の三原台中学校だけでなく、練馬区の全校での性被害に関わるアンケートを行うよう求めました。

【再発防止について】
性犯罪を防止する仕組みについても見直しが必要です。練馬区は校長、学識経験者、弁護士、精神科医などの専門家を含めた検討会を立ち上げ再発防止策を検討会で立ち上げてこれまでの対策を見直すとともに、新たな方針を示すとのこと。検討会については、ぜひ先進事例として千葉市の取り組みを参考にするよう求めました。千葉市でも教員による性加害が発生した中で、千葉大学の教授の後藤弘子さんなどが委員となり、子どもへの性暴力防止対策についての提言を策定、さらに、子どもへの性暴力防止対策検討会を条例設置しています。そのほか、区としても教員による通報制度の拡充や教員への研修の充実、子どもに対する命の安全教育の拡充などに取り組むとのことです。

今回の件を受けて子どもから「もう誰を信じていいのかわからない」という声も届きました。一番信頼していた校長先生がこのような犯罪を起こしたことに子ども達がどれだけ傷ついたか、考えるだけで胸が痛みます。被害者の救済、そして再発防止に向けて練馬区として取り組むよう求めます。