練馬区は補正予算の中で、練馬区立美術館の建替えに関連して、エレベーターの設置にかかる費用として今年度予算で2億1千6百万円、来年度以降の債務負担行為として3億2千4百万円、合計で約5億4千1百万円が計上され、本会議で議決されました。しかし、今年3月に公開された基本設計の段階ではエレベーターは3億1千万円と計算、わずか半年で6割以上増加したことになります。
なぜこれほど費用が上がるのか?
費用が上昇した理由として、練馬区は物価の高騰等を挙げていますが、わずか半年で6割も上がるというのは納得できるものではありません。そもそも、美術館全体の建替え費用についても、一番最初の基本構想の段階では76億円を上限としていたのが、基本設計では89億円に上昇、さらに今回はエレベーターのみですが6割も上昇したことになります。全体の費用については来年度予算の中で示すとのことですが、もし昇降機以外も同様に上昇している場合、100億円を大きく超えることになります。
なぜ今、エレベーターの発注が必要なの?
区は今回の補正予算に計上した理由について、「人手不足から設置業者の確保が難しく、確実に確保するため」としていますが、現在の実施設計、解体から建設までの流れをみると、まだ3年以上ある中で、なぜ今、発注しなければいけないのか、美術館反対の声も上がっている中で建設に向けた既成事実を積み重ねようとしているようにも見えます。
わずか半年で6割も価格が上がったこと、全体の費用がいまだ明らかにされていないこと、さらに、建設まで3年以上ある中でなぜ今、契約を行わなければいけないのか、あまりに区の進め方は乱暴だと思います。過去の訴えはこちらをご覧ください。