2023年決算特別委員会、教育費の審議では部活動改革について訴えました。練馬区が2024年6月に公開した中学校部活動アンケートの結果によると、部活動で負担を感じることがあると答えた教員が全体の80%に達していました。練馬区では、令和2年度に「練馬区立中学校部活動のあり方に関する方針」を策定しているものの実態が追い付いていない現状も。教員の働き方改革の観点から改善を訴えました。

はじめに

部活動は、学校教育の一環として行われていますが、教員の負担も大きな社会的な問題となっています。国の方針では令和8年度から休日の部活動は、地域主体で活動する地域クラブ活動に完全移行し、平日の部活動も地域クラブ活動への移行を目指すとしています。

練馬区が本年6月に公開した「練馬区立中学校部活動アンケート」集計結果によると、区内中学校で勤務する教員の95.3%が部活動の顧問をしています。そのうち、部活動において負担に感じていることが「ある」と答えた教員は全体の80%にも達しています。

質問1.教員の残業について区の認識は?

一体どんな課題があるのでしょうか、全体の71.1%もの教員が負担としてあげたのが、「平日の勤務時間外に指導すること」。しかし、本来、部活動は、給特法で規定される、教員に対し上司が命じることのできる時間外業務「超勤4項目」には含まれていません、つまり、本人の意思に反して残業をさせることは違法です。

しかし今回の調査で明らかになったように、本人の意思に反して、勤務時間外に部活動の指導を行わざるを得ない実態が蔓延している。教育委員会としてこの事態をどのように認識するのでしょうか?

区の回答

校長は勤務時間内の職務として部活動顧問を命じることができるため、円滑な学校運営のために一定の協力を願うことはありますが、強制させることはありません。教員個々の抱える事情や校務分掌のバランス、顧問の希望の有無などを確認し、負担軽減を図る必要があり、配慮や工夫を行いながら進めていると認識しています。

岩瀬の意見

勤務時間外に強制させることはないと明言されました。しかし、実態として7割以上の教員が平日の時間外の部活動を自らの意思ではない、負担であると回答しています。それは明らかに意思と反しているということです。部活動をこれからも続けたくないという方が3割以上に達しています。多くの方が、これ以上やれない、辛いと答えていることを十分に認識して頂きたいと思います。

質問2.部活動指導員の拡充を!

区の部活動アンケートにおいて、担当している部活動を指導した経験または、自身が経験したことがあるかという問いにたいして57.6%の教員が「ない」と回答しています。つまり、半数以上の教員は全く経験のない活動を指導している状況であり、教員にとっても、子どもにとっても不幸な状況です。

こうした中、各自治体では教員の代わりに部活動の指導を行うことが可能な、部活動指導員の配置に力を入れています。練馬区では今年度、18校に対して23名ですが、港区は昨年度から業務委託を通じ全ての部活動に指導員を配置。世田谷区でも172人を配置しています。各自治体では優秀な指導員を確保するための大幅な待遇改善も行われており、大田区では今年度、週5日1日4時間勤務での報酬は月額20万円を超えています。都立学校でも時給2,300円、豊島区でも時給2千円、他方で、練馬区では1,668円にとどまっています。優秀な人材を確保するためにも待遇を改善するとともに、部活動指導員を増員すべきです。

区の回答

今後も増員を行います。待遇改善については、他区市の状況を踏まえつつ、均衡を図りながら適切に対応していきます。

質問3.外部指導員の更なる活用を!

あわせて、教員の補助を行う外部指導員の更なる活用も必要です。現在は中学校の合計で443名、平均すると1校当たり13名ですが、学校によって人数に大きな差があります。例えば、最も多い中学校では生徒数393名に対して、28名が登録されているものの、最も少ない中学校では生徒数が514名に対して配置はわずか4名です。

外部指導員の採用は各学校に委ねられているものの、生徒数や部活動の数にあわせて適切に配置されるよう、教育委員会としても対応すべきです。

区の回答

外部指導員の配置は、校内事情を考慮しながら校長が判断しています。学校からの要望に応じて、配置の相談に今後も対応します。

意見

ぜひ対応をお願いします。また、部活動の数について、学校の規模と一致していないところも多い状況です。練馬区として全体的な対応を求めます。また、練馬区は、中学校部活動に係る検討委員会を設置。国の指示に基づき令和7年度に方針を策定するとしています。しかし、同委員会については設置の要綱も存在せず、行われている議論もすべて非公開です。策定にあたり、途中の議論を公開すると共に当事者である、子ども、教員、保護者からの意見を聞く機会を設けるよう強く求めます。