練馬区での教員の働き方改革、4月から土曜授業が年4回、半分に!

1.練馬区で教員はどれだけ足りないの? 皆さんは練馬区で現在、どれくらいの教員が不足しているかご存じですか? 2023年11月現在では、区内で18名の教員が不足、産育休で休職した後に補充されないままのケースも存在します。年度初めの段階でも12名が不足し、小学校で担任が決まらないまま副校長が担任の代わりを務めたケースも。教員の成り手不足も深刻で、東京都では2024年4月採用では小学校の倍率はわずか1.1倍、6年前の2.7倍からも激減しています。 2.教員不足の背景は? 教員不足の背景には、教員のあまりにブラックな環境があるといわれています。練馬区の状況を見ても、2022年6月時点では過労死ラインとされる80時間を超えて時間外労働を行う教員が小学校では15%、中学校では26.8%に達します。さらに、教員は給特法と呼ばれる法律によって基本給の4%(8時間分)の残業代が給料に含まれることになっており、どんなに残業をしても残業代はつきません。教員が「定額働かせ放題」とも呼ばれる所以にもなっています。 3.今回の取組は 教員の処遇・給与などは東京都が管理しているため、練馬区で出来ることは限られているなかで、今回は大きく3つの取組が行われます。 1)土曜日授業の見直し 練馬区では振替休日を設定しない第二土曜の授業を年間8回に行っていましたが、今後は年4回になります。教員だけでなく、子ども達にとってもゆっくり休むという意味で大切だと思います。なお、運動会など振替休日を設定する場合は含まれません。東京都全体の状況はこちらの記事をご覧ください。 2)学校電話機の応答メッセージ設定時刻の変更 これまで幼稚園、小学校では18時半、中学校では19時まで職員が対応していましたが、教員の勤務時間は本来8時15分から16時45分まで。小学校では16時45分、中学校では部活動がおわる概ね18時半以降は自動応答メッセージが流されることに。これは私が2020年の決算特別委員会でも指摘していたことで、大きな一歩です。 なお、緊急の場合は練馬区に電話し、そこから教育委員会に繋がることになります。 3)通知表の所見の見直し こあれまでは学期ごとに所見として、子どもの様子などを書いていましたが、今後は年に1度になります。所見を書くために、1名あたり概ね30分、30名ですと10時間近くの作業でしたが、これが軽減されることに。なお、所見として書いていた内容は子どもや保護者に直接伝えることが求められます。 4.今後に向けて、なにが必要? それぞれの対応は大切ですが、抜本的には国や都として教員の数を増やすこと、待遇を改善することも不可欠です。練馬区では少なくとも、教員を補佐する学校生活支援員やスクールサポートスタッフなどの拡充も必要ですが、現在、学校生活支援員は学校当たり2名程度、あまりに少ない状況です。私は1クラスに1名は必要だと思いますし、そのためにも学校生活支援員については、現在の時給1350円から少なくとも1500円以上に改善していく必要があると思います。また、部活動支援員についても現在は13名ですが、全ての部活で対応できるような人材の確保が必要だと思います。 教員の働き方改革に関わるこれまでの記事はこちらをご覧ください。

教育にもっとお金を!教員の働き方改革について 決算の訴え

決算審議では教育費と全款補充(全ての費目)の審議を担当しました。選挙前で最後の決算審議では教員の過重労働について取り上げました。 【★はじめに】 練馬区の報告では教員の時間外在校時間について、一か月80時間の過労死ラインを超える教員が6月には小学校では15%、中学校では27%に達していました。今年度に入ってわずか4か月で、15名の教員が精神疾患で休職、前年度から継続を含めると33名が病気休職になっています。教員が疲弊し、幸せでない中で、子ども達が幸せになれるはずはありません。 […]

練馬区議会 皆さんの訴えが少しずつ届いています!

今回の決算審議では教育費と全款補充質疑(全ての分野)の質疑を担当しました。皆さんから託して頂いた思いを訴える中、厳しい質疑が続きました。その中で少しずつですが、前に進んだこともありました。主な項目をご報告します。 […]

最後の一般質問⑦ 教員の働き方改革 …教員からの訴え「子どもを持つ親として今の学校に子どもを預けたくない…」

一般質問では、これまでも訴え続けてきた学校の教員の過重労働の改善も求めました。教員の過重労働は大きな社会問題にもなっていますが、中々改善されない状況。今回は特に教員の残業時間の把握、職員の増員を求めました。これまでの訴えはこちらをご覧ください。https://iwasetakeshi.net/tag/%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%B3/ […]

【一般質問のご報告②】教員の訴え「私たちは定額働かされ放題、助けてください!」

年に一度の一般質問、今回は特に皆さまから寄せられた生の声を議会で訴えることを通じて、改善を求めました。その一つとして、コロナ禍で過重労働に苦しむ多くの教員の方から寄せられた声を訴えました。詳細は議事録をご確認ください。 【はじめに】 教員の過重労働が大きな問題になっています。そもそも、教員には残業代が支払われず、その代わりに法律に基づいて給料に4%の加算が行われています。しかし、なぜ4%なのか、その根拠は法律ができた1966年当時の残業時間、ひと月にしてわずか8時間分でしかありません。80時間以上の残業があたりまえのように存在する現実とはあまりにかけ離れています。 「私たちは定額働かされ放題、この1年だけでも子ども達が飲み終えた牛乳パックの洗浄や部屋の消毒、どんどん新しい仕事が押し付けられもう限界です、助けてください!」 […]

少人数学級は入学の時だけ!?…入学式から2週間、早くも基準を超えた36人に!

40年振りの法改正が行われ、4月から小学校1年生は40人から35人学級に。 しかし、新1年生の保護者の方からお子さんのクラスで36人になったとのご相談を頂きました。驚いて区へ確認した所、入学の時は35人だったものの、転入生が入って36人になったとのこと。教員の配置は東京都が行っており、新学期が始まった後には制度上、加配などの対応はできないのとのことです。その学校では学校が始まって2週間も経たないうちに、基準である35人から外れることになります。 […]

文教児童青少年委員会…一クラス35人で少人数? 練馬区として更なる取組を!

本日の委員会では「小学校学級編成の標準の引き下げ」ということで35人学級についての報告がありました。国の方針に沿って、今年は小1、来年は小2というように5年をかけて全学年で35人学級を実現。法律ではこれまで40人までと定められ、40年振りの大改正。この動き自体は評価できます。しかし、そもそも35人で少人数と言えるのでしょうか?委員会で区としての更なる推進とともに、教員の負担軽減を求めました。 […]

練馬区の小学校 出欠連絡もオンライン化へ!一歩前進!

昨年来、コロナの影響もある中で、出欠連絡について連絡帳以外に電子化も認めるよう保護者の方からご要望を頂き区へずっと対応を求めてきました。区は出欠についてgoogleフォームでのやり取りを3月末から認めると各校へ連絡。導入時期は学校によって異なるとのことですが一歩前進です。今後も一刻も早い全校での実施を求めます!  

教師のバトン「もう死んでしまう!」…教育にこそもっと予算を!

これまで教員の方から過重労働への悲痛な訴えを数多く頂く中で、何度も区へ改善を求めてきました。1月末現在、20名以上の教員がうつなどで長期休養中、学校では教員の数が不足して、小学校では校長先生や専科の教員が担任を持つケースも。https://iwasetakeshi.net/2020/10/school-problem/ […]

子どもだけじゃなくて先生も限界!休職する先生も、学校にもっと予算を!

先日の決算では子どもへの支援とともに、教員へのサポートも求めました。 【はじめに】 子どもだけでなく、多くの教員からもSOSが届いています。学校の再開後、土曜授業や7時間授業の実施、消毒など、大変な負担がかかっています。今年の8月にはTwitter で当事者の先生が発信した #先生死ぬかも というハッシュタグがトレンドになり全国的にも問題になっています。私の所にも特に2年目や3年目の若手教員から「仕事は好きだけど、あまりに大変でもう続けられない」という悲痛な訴えも届いています。練馬区においても、8月末現在、休職中の教員は既に18名に達しており、区としていかに教員の負荷を減らすか、真剣に検討すべきです。 【先生、全然休みが取れない!】 特に、教職員からは土曜授業が負担であると訴えが届いています。土曜授業は、本来は臨時的な措置で、教職員は代休を取ることが大前提になっています。教員は代休や有休を十分に取れているのでしょうか?お答えください。 【回答】 代休は取得できていると認識。 【岩瀬の主張】 代休は取れているとのこと。しかし、教員からは「代休は取れても、その代わりに年休を大量に余らせて捨てています。結局権利としてある年休が消化できないままになります。」とのことです。年休の取得状況について、ぜひ実態を把握するとともに、すべての教員が十分に取得できるよう対応すべきです。 【教員の残業も多すぎです!】 教員の働き方改革の一環として練馬区でも電話機の応答メッセージ機が導入されました。このこと自体は評価しますが、現場の教員からは作動時刻が遅すぎるとの訴えが届いています。小学校は6時半、中学校は7時に作動を開始するとのこと。教員からは「7時直前にかかってきて、8時過ぎまで電話が続くケースも珍しくない。」とのこと。そもそも教員の労働時間は基本的には17時頃まで。残業することを前提とした設定は遅すぎます! 【回答】 校長会とも協議して設定した。支障があれば今後検討を行う。 【教員の数が足りません!】 学校で教員の休職が相次いでいる中で、一番影響を受けるのは子ども達。ある小学校では、教員の補充がされずに算数の少人数教育などの専科そのものがなくなっているとの声が届いています。 【回答】 基本的には代替となる教員が都から派遣されることになる。今後も適切に対応する。 【岩瀬の主張】 実際には派遣されないケースもありますし、代理の教員についても、教員免許は持っているものの実務経験のない方が担任を持っているなどのケースがあるとも聞いています。 【最後に】 子どもや教員が抱える問題を解決するためには、中長期的には一クラスの人数を減らすこと、教員の人数を増やすことなどの抜本的な改革が不可欠です。区としても都や国に対して働きかけを行うべきです!

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